短期滞在ビザ申請における書類の提出方法は、大きくふたつに分けられます。
ひとつは現地の日本大使館・総領事館へ直接持参する方法、もうひとつは代理申請機関を経由して提出する方法です(下図参照)。
なお、これらの方法は国や地域ごとに指定されており、ごく一部の国を除いて各自で提出方法を選択できません。事前に提出先を把握し、余計な時間・費用をかけずに済ませましょう。
この記事では、短期滞在ビザにおける代理申請機関をテーマに解説しています。
この記事の目次
代理申請機関とは
俗にエージェントとも呼ばれています。
大使館等に代わり申請を受理する機関
短期滞在ビザは外務省が管轄しており、各国にある日本大使館・総領事館が審査を行います。
そのため、申請人1が直接、日本大使館や総領事館の窓口へ申請書類を持参するのが通常の流れです。実際、大半の国・地域では代理申請機関を通さずに直接申請する方法を採用しています。
しかし、一部の国では混雑解消や利便性向上のため、大使館や総領事館とは別に受付窓口を設置しており、そういった機関を一般的に代理申請機関といいます。
代理申請機関は、現地にある旅行代理店やビザ申請センターと呼ばれる施設を指すことが多く、当機関を設置している国・地域では大使館・総領事館に出向くことなく手続きが完了します。
中国、フィリピン、ベトナム、タイ、スリランカ、インド、インドネシア、ブラジルの一部地域
審査は大使館や総領事館が行う
代理申請機関は審査の権限まで付与されていません。あくまでも、受理した申請書類を管轄の大使館・総領事館へ送付し、返ってきた審査結果を通知するにとどまります。
ただ、申請に最低限必要となる資料が揃っているかどうかのチェックは代理申請機関側で行われます。添付書類が不足していると、その場で受理を断られる可能性もあります。
なお、手数料に関しては代理申請機関によって異なります。金額が気になる方はWebサイト等で事前に調べておきましょう。
代理申請機関でのトラブル
申請時の注意事項について紹介します。
正規の代理申請機関を選びましょう
正規の代理申請機関とは、日本大使館・総領事館が公表している機関のことをいい、各国の日本大使館・総領事館のWebサイトに一覧で掲載されています。
提出前に一度目を通し、一番近くにある旅行代理店・ビザ申請センター2へ足を運んでもらうようにしましょう。
もし仮に、大使館等の承認を受けていない非正規の申請機関へ提出してしまうと、法外な手数料を要求されるだけでなく、申請書類そのものが外部に出回り悪用されるケースも想定されます。
詐欺サイトや偽装メールに注意
代理申請機関に限った話ではありませんが、日本政府や日本大使館を装ってプライベートな情報や手数料を騙し取る詐欺サイト・偽装メールも散見されます。
内容としては、ビザ(査証)を受け取るために書類のスキャンデータをそれらしいアドレス3に添付・送信させるよう誘導するものなど多岐にわたります。
個人情報の取り扱いについて
審査を実施する大使館・総領事館は、海外にありますが日本の行政機関(在外公館)であるため、招へい人や身元保証人、申請人などの個人情報は行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律4に基づき適切に管理されます。
まとめ
- 代理申請機関は国・地域ごとに定められている
- 正規のエージェントを利用しましょう
- 個人情報は適切に管理されます
代理申請機関の対応は不透明な部分も多く、きちんと申請書類を準備したが担当者レベルで受理されなかった、余分な資料や捺印を求める、といったケースもごくまれにあります。
いずれにせよ、代理申請機関でトラブルがあった際は直接、管轄の大使館・総領事館に問い合わせてみるのもひとつの方法として知っておきましょう。