日本側から招へい人・身元保証人を立てて交際相手や友人の短期滞在ビザを申請する際、必要書類として「知人関係を証明する資料」が外務省等で指定されています。
この資料に関しては特定の書式がなく、自分で作成しなければなりません。そのため、短期ビザのルールを理解しておけば、よりクオリティの高い資料を準備できます。
この記事の目次
知人関係を証する書類とは
“文章だけではアピールしにくい関係性をカバーするために準備する資料”を指します。
審査官も仕事としてビザの発給業務を行っているので、申請の内容によっては信憑性に疑問を抱くことも多々あります。
大使館側から指摘を受ける前に、書面上のエピソードと関連する資料を添付しておくことで、申請書類全体の証明力を高められます。つまり、許可率が上がります。
知人関係証明資料の一覧
- 双方が写った写真
- メッセージアプリの履歴
- アプリ等の通話履歴
- その他検討するべき資料
これら4つについて順番に見ていきましょう。
双方が写った写真
集合写真でも、ふたりだけで写っているものでもOKです。なるべく昔から今までの写真をまんべんなく用意してください。
- 枚数の目安5~15枚程度(*写真自体の枚数)
- 台紙のサイズA4を推奨
- 集合写真の場合はかんたんな印を付ける
- 上部に資料のタイトルを付けるとより親切
申請人1とあなたが一緒に写った写真は、申請概要を立証していくにあたって非常に有効です。個別の案件にもよりますが、あれば必ず提出しましょう。
また同じ日、同じ場所で撮影したものを複数添付しても意味がないので、写真の配置にはバランスを意識してください。
メッセージアプリの履歴
スマホやPCからスクリーンショット/画像キャプチャを準備します。昔から今までの履歴をまんべんなく用意してください。
- 枚数の目安10~25枚程度(*履歴自体の枚数)
- 台紙のサイズA4を推奨
- タイトルの下に注釈ゾーンを設けましょう
- ニックネームの場合は本名を表示しておく
注釈ゾーンは本名のほか、いつからいつまでのやり取りなのか2を明示する際に使用します。
なるべく知り合った当初まで遡って資料を準備しましょう。また普段の何気ない会話を中心にピックアップするのがベターです。
もちろん、LINE以外にもWhatsAppやQQ、Telegramなどの履歴も提出可能です。
アプリ等の通話履歴
スマホやPCからスクリーンショット/画像キャプチャを準備します。昔から今までの履歴をまんべんなく用意してください。
- 枚数の目安~10枚程度(*履歴自体の枚数)
- 台紙のサイズA4を推奨
- タイトルの下に注釈ゾーンを設けましょう
- 無理に提出する必要はありません
電話で頻繁に連絡を取っている方は、その履歴を立証していけば審査で有利になります。
メッセージ履歴と同様、ニックネームや通話の日付について注釈を挿入しておけば、とても親切な資料になります。
その他検討するべき資料
- 手紙やメッセージカード
- EMS等の送付伝票控え
- ペアリング購入時の領収書
上記のような資料も残っていれば、添付を検討するべきです。
写真がなくても招へいできる?
SNSで知り合い対面歴がない場合、写真が用意できません。その際はビデオ通話時のスクリーンショットを準備しましょう。
直接会っていなくても可能性あり
このようなご相談はよくお受けしますが、状況が整えば許可は狙えます。
Facebookや婚活アプリなど、インターネット上で知り合ったケースではあなたが現地に渡航しない限り、ふたりが写った写真を用意できません。
この場合は、写真の代わりとしてビデオ通話時のスクリーンショットを用意します。
申請の状況を整えよう
- スクショの枚数~10枚程度
- メッセージ履歴を多めに準備する
- 申請までの期間を設ける
知り合ってから申請までの期間については、6ヵ月程度空けることを推奨しています。
一度でも渡航し対面していればその分有利になります。対面せずに申請する場合は、ハンデを背負っていると意識した上で、丁寧に申請書類を準備するしかありません。
資料の選び方・注意点
最後に、知人関係証明資料を選定する際のポイントについて説明します。
社会通念に照らし合わせる
犯罪行為を匂わせるものや性的な内容のものはたとえ冗談でもNGです。
メッセージの合間に交わす写真も、食べ物や風景なら問題ありませんが、過激なものは避けましょう。あくまでも日常、またその延長線上にあるものを選んでください。
記憶が曖昧な情報を書かない
仮に招へい理由書/経緯書で上記のように記述し、写真資料の補足欄に9月撮影と書けば、書類間に齟齬が生じます。
招へい目的と会話の内容をチェック
仮にビジネス目的の申請で、このような履歴を提出すれば怪しまれるかもしれません。
もちろん、会議や座学研修が終わったあと、観光も兼ねて食事に出かけることはOKですが、申請時に添付するやり取りとしてはふさわしくないといえます。
申請の目的や招へい理由と完全に一致させる必要はありませんが、行動予定から大きく脱線したメッセージ履歴の提出は避けておきましょう。
まとめ
- 特定の書式や書き方はない
- 写真やメッセージ履歴はなるべく提出
- 添付する前に内容を再度確認
大は小を兼ねますが、くれぐれも資料の添付し過ぎには注意しましょう。審査を必要以上に長引かせる原因となり、また無益な情報を与えることで追加資料を求められやすくなります。