インターネットやSNS1を通じて知り合った外国人を短期滞在ビザで呼ぶことは、通常の申請に比べて難易度が高いとされています。
今の時代、マッチングアプリをきっかけに交流を持つことは半ば当たり前になっていますが、逆にその手軽さが申請ではネックになります。
この記事では、ネットやSNSで知り合った外国人の観光ビザ申請をテーマに解説しています。
この記事の目次
なぜアプリ・SNSがきっかけの申請は難しいのか
関係性の立証資料が揃いにくいのが理由のひとつといえます。
関係性の証明について
短期滞在ビザ(観光ビザ)を申請する際、見知らぬ外国人を日本から招待することはできないので、どんな申請であれ、何かしらの関係性を証明する資料が必要になります。
仮に旅行先で出会った場合、いつどこで出会って、どのように仲良くなったのかを書面にまとめることは比較的容易です。また、実際に対面していれば、交流過程を写真で証明できます。
写真が用意できない
一方で、インターネットやSNSで知り合い、対面することなく交流を続けているケースでは、写真を提出することが物理的に不可能です。
また、お互いのパスポートにも渡航歴が残っていないため、招待に至る経緯がどうしても似通ったものになります。
そのため、招へい人(あなた)のオリジナルな情報、つまりなぜ日本に招待したいのか、という主旨を伝えることが難しくなります。
交際・交友期間が短くなりがち
マッチングアプリ、SNS経由で知り合った方は申請に至るまでの期間が短い印象を受けます。
実際、連絡を取り始めてから数週間~数ヵ月で招待を検討されるケースが多く、このページをご覧の方も該当しているかもしれません。
もちろん、招待するのに早いも遅いもないですが、こと短期ビザ申請についていえば、招待に至る期間が短ければ短いほど審査で不利になります。
以上の項目が「ネットで知り合った外国人のビザ申請は難しい」と言われる主な理由です。
申請のタイミングについて
弊所では、連絡を取り始めてから6ヵ月後の申請をおすすめしています。
期間を空けるほど有利になる
SNSやアプリがきっかけの場合、知り合ってから6ヵ月が経過していれば、申請する価値はあるといえます。ただ、6ヵ月待ったからといって許可になるわけではありません。
なお、これまでの交際・交友を経て、招へい人(あなた)が一度でも相手国へ渡航し対面している場合は、連絡を取り始めてから3ヵ月程度の期間でも申請の価値はあると考えられます。
- 知り合って1ヵ月かなり厳しめの審査になる
- 知り合って3ヵ月場合によっては見込みあり
- 知り合って6ヵ月申請する価値あり
申請の内容にもよりますが、上記の表が一種の目安になるとイメージしてください。
書類作成で気を付けたい点3つ
最後に、申請時のポイントについて説明します。
就労活動を想起させない
短期滞在ビザでは、一切の就労活動・アルバイトが法律で禁止されています。外国人が日本で働くためには、どんな理由があれ就労ビザ2を取得しなければなりません。
そのため、申請先の大使館・総領事館がこのように判断すれば、ほぼ不許可になります。
「純粋に観光や日本文化を満喫する」といった内容を書面上でアピールしておきましょう。
招へい理由書は別紙を作成
短期ビザの申請では、あなたが招へい理由書と呼ばれる書類を作成します。
“どういう経緯で知り合い、どういった目的で来日するのか”を記載する書類になりますが、元々の記入スペースが狭いため、今回のようなケースでは正確な内容を伝えられません。
そこで、理由書の別紙を作成し、当別紙で申請の概要を伝える方法が一般的になっています。
審査を有利に運ぶためにも、当別紙3で可能な限り、交際の程度や知り合ったきっかけを時系列に沿って記載し、ふたりの間に本当の愛情/友情があることをアピールするべきです。
補足資料で書面を補う
招へい理由書の別紙が重要になると書きましたが、文章で表現できる内容は限られています。
またその気になれば、事実と異なる内容を記載・提出することも可能なため、本来であれば別紙の内容を裏付ける証拠として、ふたりが写っている写真などを用意するのがベストです。
しかし、SNS/アプリを用いた交流では写真を用意できないので、最低でもこれまでにやり取りしてきたメッセージの履歴4は補足資料として提出しておきましょう。
- 電子メール(Eメール)のやり取り
- 手紙/メッセージカードのコピー
- プレゼントを送付した際の受付伝票
こういったプライベートな情報(証拠)を上手く使いながら、書類の信憑性を高めていきます。
まとめ
- ネット経由の出会いは関係証明が大変
- 6ヵ月後の申請が目安
- メッセージ履歴は必ず準備
以前はネットやマッチングアプリを介した交際に抵抗感があったかもしれませんが、現在では自然なものとして享受される時代になっています。
しかし、その手軽さ、簡便さが申請の障壁になっており、そこに本当の恋愛感情ないし友情が存在するのかが審査で重要視されます。