海外で暮らす恋人や友人、親族を短期間(90日間以内で)日本へ招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。
そして、短期滞在ビザの取得には大きく分けて2つの方法があり、どちらの方法を選ぶかによって必要となる書類の組み合わせや申請の流れが異なります。
この記事では、観光ビザの取得方法と外国人側の収入・預貯金額をテーマに解説しています。
短期滞在ビザの取得方法
外国籍の交際相手や友人がビザを申請する場合は、下記のふたつの方法から選ぶことになります。
- 申請人1主体で書類を作成
- 日本の招へい人が書類を作成
どちらも書類の提出先は現地にある日本大使館・総領事館(代理申請機関含む)になりますが、添付資料はそれぞれ異なります。順番に見ていきましょう。
大使館・総領事館の仲介役となる窓口のことで、現地の旅行代理店などが該当します。
申請人主体で書類を作成
短期滞在ビザでは就労活動(アルバイト)が認められていないので、外国人側が主体となってビザの取得を狙う場合は、事前に滞在費や航空券代を貯めてからの申請になります。
つまり、この方法を採用する際は申請人(来日する外国人)が、日本滞在中の費用全額が負担できる旨を自分で証明しなければなりません。
そのため、自力で取得できるといっても、安定した収入のある会社員や、十分な保証金・預貯金を用意できる外国人にしか短期ビザは発給されず、無職の方や日本でいう非正規雇用に相当する外国人は申請がままならないのが現状です。
申請人側で準備する書類
実際の申請で求められる資力の立証資料は以下のとおりです。
- 公的機関が発給する所得証明書
- 預金残高証明書,など
前項で説明したとおり、申請人が自力でビザを取得するにあたっては、本人の収入状況や預貯金額がそのまま審査に直結します。
以上を踏まえて、外国人の全員が自分でビザを取得できるわけではないことを理解しておく必要があります。
招へい人・身元保証人が書類を作成
ふたつ目の方法である、招へい人が作成するケースを説明します。
海外側の資力は原則問われない
日本側の招へい人ないし身元保証人がメインとなって申請書類を作成する場合、申請人(来日する外国人)の収入状況は原則問われなくなります。つまり、申請人が無職・無資力であっても日本へ招待できます。
加えて、必要書類の大部分は日本側で準備するため、申請人が行うことは下記2点のみです。
- 海外側でパスポートなど2の資料を用意する
- 日本から届いた申請書類を現地の窓口へ提出する
- 中国戸口簿のコピーなど
- フィリピン出生証明書など
身元保証人が滞在費をカバー
申請人(来日する外国人)が無職であっても短期ビザを取得できる理由は、身元保証人が申請人の滞在費や旅費をカバーする内容での申請になるためです。
なお、実際は身元保証書と呼ばれる書類を用いて、申請人の滞在費の保証を誓約します。また、身元保証人は招へい人(あなた)が同時に担うこと3も可能です。個々の状況に合わせて保証人を検討しましょう。
身元保証人の収入額の目安
冒頭で紹介したとおり、身元保証人の収入要件については別の記事で詳しく解説していますが、このページでも軽く触れておきます。
結論からいうと、300~350万円程度の年収が審査のボーダーになると考えられます。ただ、申請の内容、例えば滞在予定日数の違いによっても許可率は変わってきます。
- 滞在予定1週間
- 滞在予定90日間
滞在日数が少ないほど審査のハードルは下がる傾向にあるので、上記の例では1のほうが審査では有利になります。
- 何のために来日するのか
- どういった経緯で招待に至ったのか
- 滞在先は自宅なのかホテルなのか
書類作成に入る前に、こういった細かい部分を明確にしておくことが短期ビザ申請のポイントです。
身元保証人の収入要件も確かに大切ですが、そこまでシビアに捉える必要はありません。収入や預金額は変えられないので、作成する書類の質を高めることに注力するべきです。
まとめ
- 申請にはふたつの方法がある
- 相手が無資力なら身元保証人を立てる
- 収入額よりも提出書類の整合性が大切
基本的に、私たちは日本側で招へい人・身元保証人を立てる方法を推奨しています。双方の関係性をよりはっきりとアピールでき、また相手国の物価等にも影響を受けないのがその理由です。
申請人から「日本円で**万円が必要」と言われた、申請人主体でビザを申請したが取り合ってくれなかったなどのケースでは、あなたが協力するかたちでビザの取得を進めていきましょう。