交際相手や婚約者、親族が短期滞在ビザで来日し帰国したあと、もう一度日本へ招待するには、短期滞在ビザを改めて申請、取得しなければなりません。
ただ2回目以降の申請においては、そこまで難しい書類作成もなく、基本的には前回作成した資料に加筆・修正するだけで申請書類の大部分が完成します。
この記事の目次
一次有効と数次有効のビザ
まずは短期滞在ビザ/観光ビザの種類を確認しましょう。
数次有効の査証(ビザ)
一次有効か数次有効かは、パスポートの査証欄1に貼られている日本国査証を見て判断します。
上記画像のように「MULTIPLE」の印字があれば数次有効の査証に該当します。この場合、短期滞在査証(ビザ)を再度取得する必要はなく、有効期間内であれば何度でも来日できます。
一次有効の査証(ビザ)
「SINGLE」と印字があるものは1回限り有効のため、再申請が必要です。
恋人訪問、親族訪問、友人訪問であればこちらの査証(ビザ)が一般的なので、該当する外国人の再入国を検討している場合はこのまま読み進めてください。
申請時期・タイミングについて
原則、帰国後の再申請は3~6ヵ月程度の間隔を設けるのが望ましいとされます。あまりにも来日の間隔が狭いと、滞在目的の信憑性について通常より厳しく審査されるためです。
就労を疑われやすくなる
特段の事情もなく立て続けに訪日していると、就労目的での入国を疑われやすくなります。短期ビザを何度も取得するのは不自然とされ、また実際に不法就労を行う方も後を絶ちません。
理由次第では早期来日も可能
妊娠・出産など、早期来日すべき事情があれば、帰国後すぐの再申請も認められ得ます。
なるべく期間を空けよう
本人に働く意思がなくても、過去に短期ビザで違法に活動していた外国人がいる以上、日本大使館・総領事館も懐疑的にならざるを得ないのが現状です。
なるべく、招待の間隔には余裕をもって申請されることをおすすめします。
再申請で追加するべき資料
審査で有利になり得る資料を紹介していきます。
双方が写った写真
枚数は数枚程度でOKです。大量の写真を添付するのは避けましょう。
初回申請時に、参考資料として写真を提出した方で、2回目以降の申請に臨む場合は、以前の資料に追加するかたちで新たに撮影した写真2を添付しましょう。
写真を提出していなかった場合
直近の訪日時に撮影したものが残っていれば、審査上有利になります。これまで写真を提出せずに短期ビザを取得していた方も、申請書類の一部として提出することを推奨します。
メッセージアプリの履歴
作成のイメージは前項の「写真」と同じです。スクショは数枚程度で構いません。
前回の申請時からメッセージアプリ3でのやり取りが増えていれば、その分のスクリーンショットを新たに準備し、印刷した上で申請書類に追加しましょう。
その他資料について
プレゼントを贈った際の伝票や手紙・メッセージカードなど、ほかにも関係性をアピールできる資料があれば、併せて添付することをおすすめします。
再申請で修正するべき書類
事情にもよりますが、基本的には前回の書類を再度利用し、要所要所を修正するイメージでOKです。
2回目以降の申請において、前回資料に修正・加筆するべき箇所を紹介します。なお、前回の書類データが残っていなければ、新たに作り直す必要があります。
招へい理由書
住所や電話番号等の変更がなければ、修正項目は少なく、使い回しのきく書類といえます。
なお、招へい目的の欄は適宜修正が必要です。前回は招へい人家族との面会が第一の目的で、今回は地方観光が目的であれば、そのように文章を変更しましょう。
身元保証書
保証人や申請人の身のまわりに変化(転職・転居など)がなければ、原則大きな修正点はありません。
ただ、保証人が就職活動などで無職・アルバイトになっている場合は、別途身元保証人を検討したほうが審査上有利になると考えられます。
滞在予定表
滞在予定表は使い回しできる項目が少なく、多くの訂正が必要になります。
出入国空港や宿泊予定先、行動予定は改めて双方で話し合って決めることになります。
日付だけの変更はNG
前回の滞在予定表の日付だけを変更してそのまま提出するのは避けてください。
過去の申請データは大使館などで参照され得るので、意味もなく前回と同じ観光地を巡る予定は組まないようにしましょう。
招へい経緯書
前回作成したものに追記するかたちでの修正をおすすめします。
- 前回来日時はいつからいつまで滞在していたか
- 前回来日時は主にどのような行動をしたのか
- なぜ2回目の申請に至ったのか
最低でも上記3点は加筆したほうがよいと考えられます。文章の流れや構成に違和感があれば、適宜文末などを変更してください。
また、申請人(再入国する外国人)の前回来日前後にあなたが相手国へ渡航した場合は、その際のエピソードや渡航理由に関しても追記できればベターです。
補足事項
申請上有利になりそうな出来事やイベント(恋人の場合はプロポーズなど)があった場合、率先して経緯書に組み込んでいきましょう。
その他の書類について
公的書類や海外側の書類について説明します。
役所や金融機関で取得する資料
- 住民票
- 戸籍謄本
- 課税所得証明書
- 残高証明書,など
招へい人や身元保証人の住居や家族構成、収入状況の変化にも左右されますが、多くのケースでは前回申請時と同じ資料を用意します。
書類の省略はできない
審査を行う大使館・領事館は現時点の状況を知りたいので、仮に記載内容が同じであっても、新しい日付で再取得してください。
海外側で準備する書類
現地で準備する資料についても、基本的には前回と同じです。なお、申請人のパスポートの残存期間はチェックが必要です。
短期ビザの申請にあたっては、パスポートの有効期限が6ヵ月程度残っていることを推奨する大使館もあるので、期限がギリギリの場合は速やかにパスポートの更新を済ませてください。
海外側書類の省略について
前回来日時の日本国査証/ビザがパスポート上で確認できる場合、海外側の提出資料を一部省略できる国・地域もあります(フィリピンなど)。
書類が完成したら
日本側の申請書類が完成したあとは、前回と同様、申請人のもとへ書類を郵送します。
書類を受け取った申請人は、パスポートなどの資料を持って、以前手続きを行った日本大使館や総領事館、代理申請機関へ審査を依頼し、ビザの発給を待ちます。
申請が許可になり、ビザが再度発給されれば、晴れて日本に入国できます。
婚約者を招待される方へ
ご存知かと思いますが、短期滞在ビザは本来、帰国を前提に発給されるビザです。
仮に同棲目的などで複数回の招待を検討しているのであれば、婚姻手続きを済ませ別途結婚ビザ・配偶者ビザ4の取得も候補に入れることをおすすめします。
おわりに
同一人物を同じ目的で招待する方法を解説しました。前回来日時にトラブルなく帰国された場合は、ある程度の実績がつくため、審査は緩やかになる傾向があります。しかし必ず許可が下りるわけではありません。
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