海外で暮らす恋人や友人、親族を短期間(90日間以内で)日本へ招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。
また短期ビザは、親族訪問・知人訪問・短期商用の3つに分類できます。球技に例えると、それぞれサッカー、野球、テニスに分類できるようなものだと考えてください。
この記事では、親族訪問ビザと知人訪問ビザの違いをテーマに解説しています。

親族訪問ビザと知人訪問ビザ
- 3親等以内の親族親族訪問ビザ
- それ以外すべて知人訪問ビザ
短期商用ビザに関しては「商用」というワードが入っているためビジネス系のビザだと判断できますが、親族訪問と知人訪問の区別は予備知識がないと難しいかもしれません。
まず、知人訪問ビザとは、文字通り知人や友人を日本に呼ぶケースが該当します。
一方で、親族訪問ビザは、日本側の親族だけでなく、外国人配偶者の親族を招待するケースも含みます。日本で暮らす外国人配偶者が、育児サポートを目的として本国の家族を一時的に呼び寄せるパターンは典型的な事例です。

ただ、親族関係であれば誰でも該当するわけではなく、いとこを招へいする場合などは、知人訪問ビザとして申請しなければなりません。
つまり、ある程度遠い関係になれば、親族訪問の枠から外れてしまいます。
そして、知人訪問と親族訪問の境界線を知るにあたっては、親等と呼ばれる考え方を理解する必要があります。
親等で親族訪問・知人訪問が決まる
親族関係の近さを示す等級を親等といいます。
親族間の近さを表す数字だとイメージしてください。数字が小さいほど距離は近くなります。
3親等以内の親族とは
短期滞在ビザにおいて、3親等以内の親族はすべて親族訪問での申請になります。

例えば、あなたからみた外国人配偶者の父母は1親等に該当し、外国人配偶者の兄弟姉妹は2親等として扱われます。
原則、ここに記載されている方は全員、親族訪問ビザで申請します。配偶者の姪っ子や、配偶者の母親の妹さんも親族訪問で申請できます。

知人訪問ビザの必要書類
原則、知人訪問ビザの申請では、双方の関係性を立証する公的資料が存在しないため、ふたりが写っている写真やメッセージの履歴1を提出することになります。
ふたりが友人である証明書はどこの役所も発行してくれないので、普段の交流過程を伝える中で信憑性を高めていきます。

親族訪問ビザの必要書類
親族訪問の場合は「関係性を証明できる公的書類」がほぼすべての国で発行されます。

そのため、このような本人側の主張だけでは不十分とみなされます。きちんとその証拠となる資料を添付してはじめて、大使館・総領事館は審査を進めてくれます。
親等が近い場合
外国人配偶者の父親を招待するケースを考えてみます。

日本では戸籍謄本などで親子関係を証明しますが、海外では主に出生証明書2(Birth Certificate)を用います。通常の申請書類のほか、この出生証明書を添付することで親子関係が立証できます。

親等が遠い場合
あなたの配偶者の母親の兄、つまり伯父を招待する場合を考えてみます。

この場合も先ほどと同様、出生証明書(Birth Certificate)を使用します。ただ、出生証明書は基本的に親子関係のみを証明するので、1枚だけであなたと伯父の関係までは証明できません。
結論からいうと、このケースでは3枚の出生証明書と1枚の戸籍謄本を準備します。
- 私の配偶者はAです
- Aの母親はBさんです
- BさんはBさんの親から生まれました
- 伯父もBさんの親から生まれました
このように順を追って説明していけば、あなたと伯父の関係もきちんと書類上で示せます。ちなみに1は日本側の戸籍謄本で証明し、2~4にかけては相手国の出生証明書で証明できます。
少々複雑になりますが、親子関係のみを証明する資料だけでも、上記のように組み合わせれば3親等であっても証明できるようになります。

まとめ
- 3親等以内は親族訪問
- 3親等外はすべて知人訪問
- 関係性を証明する資料は必ず添付
必要書類として単に「親族関係を証する書類」とだけ記載されている日本大使館もあったため、改めて紹介してみました。