短期滞在ビザの延長・更新で提出する「嘆願書」の書き方

短期滞在ビザの延長・更新で提出する「嘆願書」の書き方

海外で暮らす親族や交際相手を短期間(90日間以内で)日本へ招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。このビザは俗に短期ビザ観光ビザとも呼ばれます。

そして短期滞在ビザの取り扱い上、

  • 人道上の真にやむを得ない事情
  • 上記に相当する特別な事情

これらのどちらかが認められると、例外的に延長(更新)許可が与えられます。

なお、実際の申請においては個々の事情に沿った書類・資料を提出することになりますが、今回はその中でも審査の過程で重視される嘆願書の書き方について詳しく解説していきます。

当記事は嘆願書の書き方に重点を置いたページです。そのため、嘆願書の概要アウトラインについて詳しく知りたい方は下記の記事を参照してください。

短期滞在ビザの延長・更新申請の必要書類「嘆願書」

2018.06.05

嘆願書のおさらい

短期滞在ビザの延長・更新申請において、申請人(来日している外国人)以外の関係者1が、その人の名義で作成する“お願い文”のことを一般的に嘆願書上申書といいます。

1 親、配偶者、兄弟姉妹、勤務先の同僚や上司など

とりわけ、親族訪問ビザの延長にあたっては日本側の身元保証人(あなた)が上記の関係者に該当するため、原則は保証人(あなた)の名義で嘆願書を作成することになります。

身元保証人
私からも是非許可をいただけるようお願いします

このように、当事者(申請人)以外からの支援・援助を書面でアピールすることによって、審査官により良い印象を与えることができます。つまり、嘆願書は無事にビザが交付されるよう入国管理局へ間接的に働きかけることを目的とした書類と言い換えることができます。

なお、嘆願書自体は延長・更新申請における必須書類ではないため、具体的な書式は入国管理局のWEBサイトでも公表されていません。

入国管理局
所定の書式はなく提出も任意ですが、提出いただければ審査で考慮します

そのため、これから嘆願書を作成するにあたって、枚数や書き出し、主張すべきポイントについてはご自身で考えながら文章を構築していくことになります。

ここまでが作成に入る前のおさらいです。次の章からは、そんな嘆願書の書き方について意識したい箇所を紹介していきます。

嘆願書の書き方

親族訪問の延長・更新

嘆願書

こちらが実際の延長・更新申請で使用する嘆願書です。なお、更新理由は病気の治療目的などがよく挙げられますが、当記事では引き続きご依頼の多い親族訪問ビザの延長・更新申請をベースに解説していきます。

  • 申請人招へい人の親族(延長を希望する外国人)
  • 招へい人あなたの配偶者
  • 身元保証人あなた(日本国籍)

上記のような組み合わせを想像しながら読み進めてください。それでは、(1)から(7)まで番号をふっていますのでひとつずつ確認していきましょう。

(1) 管轄入国管理局・作成年月日

滞在先を管轄する入国管理局の名称を記載します。こちらに関しては、理由書(申請理由書)と一致させる必要がありますので、理由書の作成がまだの方はこちらの記事を参考にしてください。また嘆願書を作成した年月日も忘れずに記入します。

見本の画像では「作成年月日」を省略しています。

(2) 身元保証人の署名・捺印

赤枠の中に身元保証人(あなた)の署名・捺印が必要です。理由書では申請人(来日している外国人)の署名・サインを求めていましたが、嘆願書は保証人の名義で作成する書類です。間違えないよう気を付けてください。

(3) 申請のアウトライン

  • 嘆願者は誰なのか(私は**です)
  • 嘆願者と申請人の関係・続柄2
  • 在留期間更新許可について嘆願すること

上記3点を簡潔に記述し、次の段落から嘆願の理由を説明していきます。

2 身元保証人から見た申請人との関係

(4) 招待に至るまでの過程

保証人(嘆願者)と招へい人の関係に触れながら、申請人が来日に至った経緯を記載します。

  • 外国籍の妻と結婚した
  • 子どもが生まれた
  • 育児補助のため短期ビザで招待した
  • 理由があり延長を希望する

仮にこのような過程で延長申請に至った場合はまず、外国籍の妻と結婚した年月日の記載からはじめ、子どもの生まれた時期や人数について記載していくのがセオリーです。

そして愛する娘/息子の面倒を見てもらうわけですから、奥様と仲の悪い親族がわざわざ来日することはあり得ません。そのため、招へい人(奥様)と申請人の仲の良さがわかるエピソードなども可能であれば挿入しておきましょう。

イメージとしては、上記のようにまず箇条書きで大雑把な流れを把握し、そこに肉付けするかたちで文章を練っていけば作成しやすいかと思います。

(5) 保証人から見た在留状況

保証人(あなた)から見て、申請人がどういった様子・気分で滞在しているのかを客観的に記述します。申請人が短期ビザの延長に対してどれくらいポジティブに捉えているのかを記載してください。

身元保証人
申請人はこんなに喜んでいて、また率先してこんなことも手伝ってくれていますよ

(6) どれくらい切実か

次は自分自身に視点を移動させます。申請人の延長申請が許可になった場合、あなたやあなたの家族がどれだけ助かるか、またどれだけのメリットを享受できるかについて記載します。

日々の育児や家事が忙しく体調を崩しがちであれば、申請人がこの先も滞在してくれることで集中的に身体を休ませることができるなど、とにかく切実に延長を希望している事実を伝えていきましょう。

ここが嘆願書の中で一番のポイントになりますので、ご家族で話し合いながら、申請人の延長の必要性について主張できる家庭事情を検討してみてください。

(7) 身元保証に関する事項

  • 申請人の滞在費と帰国旅費を全額支弁すること
  • 今回の滞在を引き続き充実したものにすること

上記2点は記載しておきましょう。また、あくまでもこちらから嘆願しているため、そこまで強調する必要はありませんが、なるべくかしこまった文面を心がけてください。

最後に、締めくくりの言葉(今回の申請をよろしくお願いします)を添えればひとまず嘆願書としての体裁は整います。嘆願書の分量としては、A4サイズで1~2枚がひとつの目安になると考えてください。

まとめ

  • 保証人の名義で作成する書類(原則)
  • 他の申請書類と併せて提出
  • 延長を希望する切実さをアピール

今回紹介した書き方はあくまでも一例です。申請人と嘆願者の関係性や、来日に至った事情によって審査の方針は変わります。

また嘆願書の作成にあたっては、感情的な部分のみの主張に偏らないよう意識してください。入国管理局の審査官は、書面上から相当性(特別な事情があるかどうか)を読み取るためにわざわざ申請書類の作成・提出を求めています。

そのため、延長の理由を裏付ける事実もしっかりと記載し、バランスの良い文章を組み立てていきましょう。ただ作成量が増えるほど書類間で矛盾が起きやすくなりますので、完成後の再チェックなどは抜かりなく実施してください。