短期ビザの延長申請における「理由書」作成前に知っておきたいこと

短期ビザの延長申請における「理由書」作成前に知っておきたいこと

海外で暮らす交際相手や親族を短期間(90日間以内で)日本へ招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。このビザは俗に短期ビザ観光ビザとも呼ばれています。

そして短期滞在ビザの取り扱い上、下記のいずれかが認められると、例外的に延長(更新)許可が与えられます。

  • 人道上の真にやむを得ない事情
  • 上記に相当する特別な事情

今回は、短期ビザの延長・更新申請で求められ得る申請理由書をテーマに解説します。

延長・更新申請の概要やアウトラインを知りたい方は下記の記事を参照してください。
【2018年版】短期滞在ビザの延長・更新申請と手続きのすべて

短期滞在ビザの延長・更新申請と手続きのすべて

2018年6月21日
理由書の書き方については別ページに解説があります。具体的な記載方法を知りたい方は下記の記事を参照してください。
短期滞在ビザの延長・更新申請における「理由書」の書き方

短期滞在ビザの延長・更新申請における「理由書」の書き方

2018年5月30日

延長・更新申請の理由書とは

まず、延長申請の正式名称を在留期間更新許可申請といいます。そして、当該申請において、申請人(来日している外国人)がビザの延長を希望する理由について詳細に記述した書面のことを一般に理由書、または申請理由書と呼びます。

日本に入国してから現在までの活動を説明する資料(書式自由,具体的に記載願います)

法務省のWEBサイトにも延長・更新申請の必要書類としてこのような記載があり、上記資料も理由書を作成する根拠のひとつと解されます。

特に短期滞在ビザの延長・更新申請においては、この理由書が重要な役割を担っており、理由書の内容次第で許可・不許可が分かれることも十分に考えられます。

在留期間更新許可申請書にも延長・更新の理由について記述する箇所はありますが、理由書にはその前後関係を踏まえた論理的な文章が求められます。
短期滞在ビザの延長・更新申請の必要書類「在留期間更新許可申請書」

短期滞在ビザの延長・更新申請の必要書類「在留期間更新許可申請書」

2018年5月15日

また、先ほどの引用文の中にも「書式自由」とかっこ書きされているとおり、入国管理局において申請理由書の書式は公表されていません。

これから延長・更新申請に臨む方は、字数や書き出し、レイアウトについてご自身で考えながら文章を練っていくことになります。

理由書は誰が作成するのか

短期ビザの延長・更新申請は、外国人本人が在留を希望するかたちになるため、申請理由書も原則申請人(来日している外国人)の名義で作成するのが望ましいとされます。

しかし、申請人が不自由なく日本語の読み書きができるとは考えにくいので、ほとんどのケースでは日本側の協力者身元保証人(あなた)が代筆することになるでしょう。

**の理由で申請人を招待したが、目的を達成するため延長を希望します

短期滞在ビザの延長・更新はこのような過程を経て申請するケースが多いので、通常は理由書に限らず、短期ビザ取得時の招へい人や身元保証人が多くの書類を準備・作成することになります。

なお、短期ビザ取得時に招へい経緯書(招へい理由書の別紙)を作成された方については、申請理由書の主格が異なる点に注意が必要です。

  • 招へい経緯書あなたが主格
  • 申請理由書申請人(来日している外国人)が主格

上記の違いを意識して書類作成にあたってください。

「私は」の「私」が指し示す人物に変更が生じるということです。

理由書はどこに提出するのか

日本入国時の短期ビザ申請では、海外にある日本大使館・総領事館1へ書類を提出しましたが、今回の延長・更新申請では日本国内にある入国管理局へ申請書類を提出します。

1 一部の国・地域では代理申請機関が受付窓口となっています。

つまり、審査の管轄が変わってしまうため、それに伴い作成する書類や添付資料が変更されている点に注意しなければなりません。

日本大使館等は外務省が、入国管理局は法務省がそれぞれ管轄しています。

なお、実際の申請にあたっては、申請人(来日している外国人)と日本側協力者(あなた)が揃ってお近くの入国管理局等へ出向くことが推奨されています。

理由書を作成する前に

虚偽申請はご法度

他の記事でも触れていますが、一番のタブーは書類に嘘を記載することです。

虚偽申請は非常に悪質な行為と判断されるので、不許可になるのはもちろん、次回以降の申請においても不利な扱いとなるでしょう。

特別な事情を想起させる

冒頭に記載したとおり、短期ビザの延長・更新申請は特別な事情のない限り許可が下りません。そのため、理由書の作成では更新を希望する背景や根拠を正確に伝え、審査官が客観的に見ても納得できるような文面を整える必要があります。

なお、一般的に「特別な事情」とは病気/疾患/怪我育児のお世話が該当するため、「同棲生活をもっと楽しみたい」などの理由では許可にならないと解されます。

申請人
日本観光を満喫するために延長を希望します
入国管理局
それでは特別な事情に該当しませんよ

まとめ

  • 理由書は申請人の名義で作成
  • 許可率を高めるためにも提出をおすすめ
  • 特別な事情に該当するかどうか

短期ビザの延長申請で提出する書類は、規定の様式に従って記入するものが多くを占めます。そのため、理由書のような自由形式の書面で、個々の状況をしっかりアピールしていくよう心がけてください。