海外で暮らす交際相手や親族、友人を短期間(90日間以内で)日本へ招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。
この記事では、必須書類である査証申請書の書き方・ルールについて解説しています。
この記事の目次
査証申請書・ビザ申請書とは
双方の個人情報や申請の概要を伝える書類です。
提出が必ず求められる
査証申請書1には、あなたや来日する外国人の個人情報のほか、滞在先や犯罪歴の有無、訪日の理由などを記入します。
書類間の整合性がポイント
- 申請人来日を希望する外国人
- 招へい人招待する人 (あなた)
- 身元保証人滞在費等を工面する人
短期ビザの申請では上記3つの役割が存在し、これらすべての情報を査証申請書に記入します。
そのため、書類同士の整合性が非常に大切となります。
このような指摘を受けないよう、当サイトではその他の書類をすべて完成させてから、最後に査証申請書の作成へ進むことをおすすめしています。
査証申請書の記入者は誰か
原則は申請人(外国人側)で記入しますが、条件を満たせば日本側での作成もOKです。
ビザ申請書の作成ルール
申請書の2ページ目に申請人(外国人側)の署名が求められることから、一般的には申請人が海外側で作成する書類と解されます。
ただ前述のとおり、あなたや身元保証人しか知らない箇所2もたくさんあるため、申請人ひとりで完成させるのは非常に困難です。
日本側での作成も認められ得る
- 大使館指定の言語(英語/中国語等)で作成する
- 申請人に記載内容をすべて理解させる
- 理解させた上で本人の署名をもらう
そのため、これら3点を満たした場合は、あなた側での作成が認められるケースがほとんどです。
日本から招待を行う以上、書類の大部分は日本側で作成するため、こちらで一緒に準備してあげたほうがスムーズかもしれません。
なお、最後の署名欄は必ず、申請人(来日を希望する外国人)本人の署名が求められます。
申請人本人による記入
もちろん、先ほど紹介した方法以外に、あなたが日本側の情報をまとめ、メッセージアプリなどを経由して申請人に送付する方法もあります。
ただ、この場合はビザ申請書のみ相手が作成するため、書類間の整合性には注意が必要です。
- 身元保証人は誰が担っているのか
- 招へい人と身元保証人の関係性
- 行動予定に認識のズレがないか
- 滞在日数や入国日は滞在予定表と合っているか
- 利用予定の空港は正式名称を入力しているか
最低でも上記の項目には意識を配りましょう。
査証申請書・ビザ申請書の日本語訳
全体を把握できるよう、書き方の前に査証申請書の日本語訳を紹介します。
次の章にある「申請書の書き方」を分かりやすくするため、申請人側がメインの箇所は赤枠で、招へい人(あなた)がメインとなる箇所は青枠で囲っています。
査証申請書・ビザ申請書の書き方
英語・中国語・スペイン語・ポルトガル語それぞれの記入項目はほぼ同じ3です。
(1) パスポートからの転記
まずは赤枠の1です。この箇所は、申請人(来日を希望する外国人)のパスポート4を見ながら記入していきます。
大部分がパスポートからの転記になりますが、国民登録番号(ID)や出生地はパスポートに印字されていない場合があります。その際は改めて申請人に確認を取りましょう。
(2) 来日のスケジュールなど
“Purpose of visit to Japan(渡航目的)”に関しては、友達以上恋人未満の申請人を招待する場合に注意が必要です。
仮に日本側の書類で友人訪問と記載し、査証申請書に恋人訪問と記入してしまうと審査に影響があります。なるべくどちらかに統一させましょう。
- 滞在予定日数
- 日本到着予定日(入国予定日)
- 入国時の空港名
また上記の項目も、日本側で作成する滞在予定表とリンクします。記載ミスに注意してください。
(3) 滞在先の情報
この箇所では、申請人が入国後どこに宿泊するのかが問われています。
- ホテルに宿泊ホテルの名称と住所・電話番号
- 個人宅に宿泊個人の氏名と住所・電話番号
つまり、申請人があなた(招へい人)の自宅に滞在する場合は、あなたの氏名・住所・電話番号をここに記載します。
- 〒100-8968 東京都千代田区永田町1-2-3
- 1-2-3 Nagata-cho, Chiyoda-ku, Tokyo 100-8968, Japan
(4) 申請人の個人情報
“Dates and duration of previous stays in Japan(前回の日本渡航期間)”は、申請人に来日経験がある場合のみ記入します。
前回入国日
前回出国日
その他の項目に関しては、特に問題なく記入できるかと思います。該当する回答がない場合は同じく“NONE”と入れておきましょう。
(5) 身元保証人の個人情報
身元保証人の情報を入力します。あなたが招へい人と身元保証人を兼任している場合は、あなたの個人情報が必要になります。
繰り返しますが、友達以上恋人未満の場合、“Relationship to applicant(申請人との関係)”の項目には注意しましょう。
(6) 招へい人の個人情報
あなたが招へい人と身元保証人を兼任している場合は、“Name(氏名)”の欄に“same as above”5と入力します。その他の記入は不要です。
招へい人と身元保証人が異なる場合は、招へい人(あなた)の情報をこの箇所に記入します。
(7) 過去の犯罪歴等
“Remarks/Special circumstances, if any(特記事項)”に関しては、特別な事情がある場合にのみ記入します。一般的な申請6であれば空欄のままで構いません。
ただ虚偽の申請書を提出するほうがよっぽど不利になるので、申請人の犯罪歴については正直にチェックしましょう。
(8) 署名欄
最後に、短期滞在ビザの申請を行う日(申請書を作成した日)を記入し、申請人の自筆で署名すればビザ申請書は完成です。
おわりに
査証申請書・ビザ申請書について解説しました。
簡単そうに見えて意外と時間がかかります。記入や作成が不安な場合は、私たちのような行政書士や弁護士さんを利用するのもひとつです。