【短期滞在ビザ】招へい理由書の書き方:家族・親族訪問編

招へい理由書の書き方:短期滞在ビザ【家族・親族訪問編】

海外で暮らす親族や配偶者の家族を短期間(90日間以内で)日本へ招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。

このビザは俗に招聘ビザ観光ビザ短期ビザとも呼ばれています。

そして、申請にあたって招へい理由書は作成・提出が必ず求められ、審査においても大切な書類のひとつとされています。

この記事では、親族訪問を目的とした招へい理由書の書き方を解説します
招へい理由書の概要アウトラインについては下記の記事を参照してください。
短期滞在ビザ申請に必要な「招へい理由書」のアウトライン

短期滞在ビザ申請に必要な招へい理由書のアウトライン

2017年3月17日
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招へい理由書のおさらい

招へい理由書の見本

招へい理由書は、“招へい人が招待に至った目的や経緯を記述する書類”です。

招へい人招待する人なので、日本側の親族が招へい人に該当します。

申請には2つの方法がある

外国籍の方が短期滞在ビザを取得し来日するには、主にふたつの方法があります。

  1. 外国側主体で申請書類を準備する
  2. 日本側の協力者が申請書類を準備する

1の方法では原則、申請人1本人が日本での滞在費を負担します。このケースでは、ビザの準備が海外側で進んでいくので、日本側で行うことは特にありません。

1 申請人来日を希望する外国人

ただ、滞在先や行動に制限が課されることも多く、何より申請人本人が金銭的保証力をアピールする必要があるので、1の方法はハードルが高いとされています。

一部の国・地域では、申請時に数十万円相当の保証金を要求される場合があります。
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2017年8月19日

招へい人を立てる理由

一方で、招へい人身元保証人と呼ばれる協力者を立てて申請する2の方法においては、日本側による滞在費等の負担が認められています。

自宅滞在もOKで、観光先も自由に予定を組めます
  • 物価の影響を受けず安定した保証が期待できる
  • 双方の親族関係が容易にアピールできる

また上記の理由もあり、当サイトでは2の方法を中心に解説しています。

親族訪問における招へい人

  • 招待したいと考えている人外国人妻
  • 金銭的な面倒をみる人日本人夫

上記のようなケースでは、招へい人を妻身元保証人を夫として申請することをおすすめします。もちろん、夫が招へい人と身元保証人を兼任してもOKです。

外国人妻が経済的に自立している場合は、妻も身元保証人を兼任できます。
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2017年2月11日

招へい理由書の書き方

招へい理由書の見本

実際に現地へ提出する招へい理由書の見本です。数次ではなく1次のものを使用します。

(1)から(13)まで番号をふっているので、順番に見ていきましょう。

招へい理由書の書式は外務省Webサイトからダウンロードできます。

1. 作成年月日

招へい理由書の書き方_その1

書類を作成した日付を記入します。有効期限は原則3ヵ月間なので注意してください。

提出書類の有効期限について
作成した日付と申請する日が3ヵ月以上空いてしまう場合は書類を作成し直しておきましょう。

2. 申請先の大使館・総領事館

招へい理由書の書き方_その2

審査を依頼する大使館または総領事館の正式名称2を記入します。

2 正式名称はこちらのページから確認できます

仮にフィリピン国籍の親族を招待するのであれば「在フィリピン日本国大使殿3」となります。「在マニラ日本国大使殿」ではありません。

3 にチェックを入れます

領事館の管轄区域について

申請の管轄に注意

中国やベトナム、インドネシア、ロシアなどにお住まいの親族は、居住地域によって管轄の総領事館が異なります。

記入の際は必ず外務省Webサイトを参考にしてください。

3. 招へい人の住所

招へい理由書の書き方_その3

招へい人の郵便番号住所地を記入します。丁目や番地を省略せず、住民票に記載されているとおりに入力してください。

招へい人と身元保証人が同一の場合、ここは空欄で構いません。

招へい人の要件

招へい人は日本居住者限定

短期滞在ビザの招へい人は“現時点で日本国内に暮らしていること”が要件です。

住民票住所と現住所が異なる場合

住民票住所と現住所が異なる場合

諸事情で別宅などに住んでいる場合は、住民票の住所を記入しておきましょう。

滞在先となる居住地と住民票に記載されている住所地が異なる場合は、別途「補足説明書」の作成を推奨します。住所変更の手続きがまだの方は注意してください。

短期滞在ビザ申請で作成する補足説明書のアウトライン

2018年1月25日

4. 招へい人の署名・捺印

招へい理由書の書き方_その4

招へい人自筆の署名と捺印が必要です

署名・捺印欄以外はパソコンなどで打ち込んで印刷しても問題ありませんが、この項目は自筆の署名と捺印が求められます。外国人で印鑑がない場合は署名のみでOKです。

捺印の際、ゴム印やシャチハタはなるべく避けましょう
招へい人と身元保証人が同一の場合は「省略」と記入してください。

5. 電話番号・FAX番号

招へい理由書の書き方_その5

招へい人の電話番号FAX番号を記入します。電話番号は、携帯または自宅(固定回線)のどちらでもOKですが、なるべく携帯電話の番号を書いておきましょう。

内線とFAX番号については、ある場合のみ記入してください。なければ空欄のままで構いません。

6. 会社・団体が招へいする場合

招へい理由書の書き方_その6

会社や団体の名義で親族を招待するケースは通常あり得ないので、ここは空欄でOKです。

7. 来日する親族の国籍

招へい理由書の書き方_その7

来日する配偶者の家族・親族の国籍を記入します。

8. 来日する親族の職業

招へい理由書の書き方_その8

来日する配偶者の家族・親族の職業4を記入します。

4 自営業・会社員・学生など
無職の場合は空欄にせず「無職」と記入してください

9. 来日する親族の氏名・性別・人数

招へい理由書の書き方_その9

来日する配偶者の家族・親族の氏名と性別、人数をそれぞれ入力してください。氏名は相手方のパスポートに記載のあるアルファベット表記で記入します。

性別欄のチェック漏れにも注意してください。

複数人呼ぶ場合は?

来日する親族が複数名いる場合は、代表者5の情報を入力し、代表者以外の人数を「ほか*名」というかたちで記載します。1名のみ招待する場合は「ほか0名」と入力しましょう。

5 大使館・総領事館(代理申請機関含む)へ書類を持参する親族
短期滞在ビザ申請に必要な「申請人名簿」で知っておきたい3つのこと

短期滞在ビザ申請の申請人名簿で知っておきたい3つのこと

2017年4月4日
複数人(2名以上)を併せて招待する場合は、別途「申請人名簿」の作成が必要です。

10. 来日する親族の生年月日・年齢

招へい理由書の書き方_その10

来日する配偶者の家族・親族の生年月日年齢を記入します。メールや口頭で済まさず、きちんと身分証明書なども確認しておきましょう。

たった1年間のズレ・書き間違いがあっただけでも、書類の信用力は落ちてしまいます。

11. 招へい目的

招へい理由書の書き方_その11

日本へ招待するに至った目的を記入します。

目的が複数ある場合は、メインとなる目的をいくつかに絞ったほうがよいでしょう。

  • 招へい人の姉であるビザ申請人を日本へ呼び、招へい人家族と一緒に***するため。
  • 招へい人の母であるビザ申請人を日本へ呼び、***の傍ら、招へい人家族の育児補助を担ってもらうため。
決まった書き方はないので、上記を参考にしながら記載してください。

12. 招へい経緯

招へい理由書の書き方_その12

ここにはなるべく「別紙のとおり」と記入してください。

当事務所では、別紙6の作成をおすすめしています。作成しなくても申請は受理され得ますが、一般的には添付することで審査が有利に運ぶとされています。

6 招へい経緯書招へい理由書別紙と呼ばれています
短期滞在ビザ申請の「招へい経緯書」作成前に知っておきたいこと3つ

短期滞在ビザ申請で作成する招へい経緯書のアウトライン

2018年3月1日

13. 申請人との関係

招へい理由書の書き方_その13

申請人=来日する外国人なので、ここには招へい人から見た申請人との関係を記載します。

  • 招へい人外国人妻
  • 身元保証人日本人夫
  • ビザ申請人外国人妻の妹

仮に上記のような組み合わせであれば、「ビザ申請人の姉」と記入します。

親族の関係性が複雑な場合
「招へい人はビザ申請人の**(です)」という書き方をすれば、すっきりさせることができます。

まとめ

  • 招へい人は日本在住が条件
  • 一部地域の申請人は管轄に注意
  • なるべく別紙/経緯書を準備

申請人や招へい人家族それぞれに事情があるため、招へい理由書の後半部分は枝分かれしていきます。審査官にどう見られるのかを意識しながら作成にあたってください。

この記事を書いた事務所

行政書士ループ法務事務所

行政書士ループ法務事務所

就労系より身分系のビザ・在留資格を多く取り扱っています。
『申請を、もっと手軽にかんたんに』がスローガンです。

ビザ申請は書類作成や確認事項が多くて
ウンザリですよね。

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