短期滞在ビザ申請に必要な書類「申請人名簿」作成前の3点チェック

申請人名簿

短期滞在ビザ(観光ビザ)で彼氏・彼女や友人、取引先を複数名招待するには「申請人名簿」の作成・提出が必須となります。管轄の大使館・総領事館が同じであれば名簿の作成のみで構いませんが、離れた地域で暮らす方国籍の異なる方を同時に招待する場合は注意が必要です。

このページでは、

  • 申請人名簿はどういった書類なのか?
  • 申請人名簿はなぜ必要なのか?
  • 申請人名簿はどこに提出するのか?

について解説・説明しています。

なお、申請人名簿の書き方については別ページで紹介していますので、詳しい記載方法を知りたい方は下記の記事を参照してください。

短期滞在ビザの滞在予定表の書き方と絶対に押さえておくべき11の項目

2017.03.30

1.申請人名簿とはどういった書類なのか

トータルで何名が来日するのかを記載する書類

招へい人
配偶者(婚約者)の両親ふたりを日本へ呼んであげたいんだけど……
招へい人
会社の取引先を3名海外から招待したいんだけど……

現在、このページをご覧の方は上記のような悩みを抱いているのではないでしょうか。

ひとりを招待するのにあれだけの数の書類が必要なのに、ふたりや3人、またそれ以上の外国人を日本へ呼ぶとなると、膨大な資料を準備・作成しなければならないのかと考えているかもしれませんが、答えはノーです。

結論から申し上げると、来日する人の住所地を管轄している日本大使館・総領事館が同じ(※)であれば、この申請人名簿を1枚作成するだけで複数名を同時に申請・招待することができます。

(※)管轄の日本大使館・総領事館に関しては後ほど説明します。

同時期に複数名を海外から招待する場合、個々人を呼ぶ目的や経緯は似通ったものになるのが一般的です。

配偶者(婚約者)の両親を呼ぶ際も、母方と父方で招待の理由が異なることはほぼないかと思われます。母方は子育てのために招待して、父方は家事手伝いのために招待しようなんて普通考えませんよね?ふたり一緒に子育てを通して孫とのふれあいを楽しんでもらいたいし、家族で協力して家事を行う方がきっと充実した滞在になるはずです。

また、取引先を複数名呼び寄せる際も、Aさんはa社で打ち合わせ、Bさんはb社の工場見学、Cさんはc社の従業員へ挨拶回りといった予定を組むことはあまり考えられません。別々の日程で招待するならまだ現実味はありますが、たまたま同じタイミングでこんな好都合な滞在計画を立てられることはそうそうありません。

そのため、短期滞在ビザ(観光ビザ)の申請にあたっても、

大使館・領事館
それぞれ独立した書類の提出を義務付けたところで単に名前を入れ替えるだけの作業になってしまうだろう

という大前提のもとに申請人名簿の提出が指定されています。

仮に、招待する人それぞれに異なる滞在予定を組まれている場合は、その旨を招へい理由書招へい経緯を説明する別紙(招へい経緯書)滞在予定表などに記載する必要があります。

2.申請人名簿はなぜ必要なのか

複数の申請人の中の代表者を明確にするため

2名、3名と申請人(来日する人)が増えるにつれ、誰が代表(メイン)となって日本で滞在するのかが不透明になります。ひとりを招待する場合であれば代表者は必然的にその方になりますが、複数名が来日する場合は誰を中心として滞在予定を組んでいるのかが分からなくなってしまいます。

そのまま審査が進んでしまうと、ビザの発給・不発給に影響を与えるだけでなく、余計に時間もかかってしまうことが予想されるため、大使館側は申請人間の代表者を求めます。そうすることで、担当官は代表者を基準にしたスムーズな審査を行うことができるようになります。

配偶者(婚約者)の両親を招待する際の例を挙げると、

  • 主に母方と連絡を取り合い今回の招待を決めた
  • 滞在予定も、母方をメインに据えた内容になっている

上記の場合であれば、申請人代表者は母親となります。

一方で、取引先を複数名招待する際、

  • Aさんがプロジェクトの責任者になっている
  • BさんとCさんは同行者として来日

この場合であればAさんが申請人代表者となります。

3.申請人名簿はどこに提出するのか

お住まいの住所地によって異なります

申請先は申請人(来日する人)の住所地を管轄する日本大使館または総領事館になりますが、ここが申請人名簿の作成にあたって一番注意しなければならないポイントです。

勿論、他の書類にもいえることですが、申請先を間違えてしまうと書類は受理されません。通常であれば、その場で提出先を書き替えるだけで済みますが、申請人名簿に限っては書き替えてハイ終わりではありません。

申請人名簿には、申請人全員を同一の大使館または総領事館が管轄する場合のみ使用できるという決まりがありますので、申請人(来日する人)それぞれの住所地を管轄する日本大使館・総領事館が異なる場合は、単に名簿を書き替えるだけでなく、新たに申請人ごとの書類一式を別々で準備しなければなりません。

少し理解しにくい内容になるので、例を挙げて説明します。

【ケーススタディ】
中国に住む中国国籍の方2名(Aさん,Bさん)を招待する

仮に、AさんとBさんがともに広東省に住所地を有していれば、管轄する日本総領事館は、

  • Aさん:在広州日本国総領事館
  • Bさん:在広州日本国総領事館

となるため、申請先はふたりとも同じになります。

この場合、管轄している日本大使館・総領事館は同一といえるため、申請人名簿を1枚追加するだけで2名を同時に申請することができます。

一方で、

  • Aさん:広東省在住
  • Bさん:上海市在住

であれば、それぞれを管轄する日本総領事館は、

  • Aさん:在広州日本国総領事館
  • Bさん:在上海日本国総領事館

となってしまうため、管轄している日本大使館・総領事館は同一とはいえません。

このケースが、前述の申請人ごとの書類一式を別々で準備しなければならない事例に該当します。具体的には、申請人名簿を使わずに提出書類を2セット作成し、別々の申請としてそれぞれの総領事館(広州・上海)へ提出するという流れになります。

正直、かなり面倒です。加えて、完全に独立した申請にしてしまうと、それぞれの総領事館へ私はAさんとBさんを一緒に招待しますよという意思が伝わらないため、弊所では別途作成している招へい経緯書などにその旨を記載しています。

このように、管轄の大使館・総領事館が異なるだけで作成する書類や準備する資料も大きく変わってしまうため、事前にきちんと調べた上で申請を行うことが重要になります。

提出のギリギリに気付いてしまった場合、追加書類の準備や精査で多くの日数を要することになるので、結果的に来日する時期や帰国時期もずれ込んでしまいます。

そうならないためにも、申請人の住所地によって申請人名簿を利用できるかが決まることを理解しておくことでその後のビザの審査・取得がスムーズになります。

中国国内での査証申請について
本来、中国にある日本大使館・総領事館へビザ(査証)を申請する際は、直接公館へ持ち込むのではなく、大使館側が指定した旅行代理店等を経由して申請することになります。分かりやすく解説するためこの部分の記載は省略しています。

まとめ

申請人名簿は、

  • 合計で何名が来日するのかを記載する書類
  • 申請人間の代表者を明記する書類
  • 管轄の大使館・総領事館が異なると使用できない

作成自体はそこまで難しくないですが、細々した決まりやルールがややこしいのが申請人名簿の特徴です。また、自分で申請書類を作成される方の中には、そもそも名簿の存在を知らなかったという声もよく相談で聞きますので、作成忘れや添付忘れに充分注意してください。