短期滞在ビザ申請の保証金って何?まさか詐欺?

短期滞在ビザ申請の保証金って何?まさか詐欺?

海外で暮らす友人や彼氏・彼女、親族、取引先を日本へ短期間(90日間以内で)招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。このビザは俗に観光ビザ短期ビザとも呼ばれます。

そして、ビザの取得に向けて申請人(来日する外国人の方)とやりとりを行う中で、もしかするとこんなことを言われた/聞いたことがあるかもしれません。

(数十~数百)万円以上残高のある銀行口座がビザの申請に必要だから、すぐに日本から送金してほしい
ビザの申請手数料とは別に、現地の業者に(数十~数百)万円支払えば簡単にビザが取れるから、すぐに日本から送金してほしい

あるいは、こんなやりとりもあったかもしれません。

結構お金かかるんだね……
でも安心して、送金してくれた分のお金はビザが下りたあとに返すから

信用していないわけではないけど、そのためだけに大金を海外に送りたくはない。
疑っているわけではないけど、このまま逃げられる可能性もゼロではないし、詐欺かもしれないと考えると躊躇してしまう。でも彼女・彼がそんなことをする人とは思えない。

実際に弊所でもこれらの相談は多く見受けられます。おふたりの関係性や交際歴などをヒアリングしても、詐欺なのかどうかを判断することは大変難しいでしょう。また残念なことに、送金後、相手が消息不明になってしまってから相談される方も少なからずいます。

そのため、当記事では短期ビザの保証金制度や海外の業者に焦点を当てて解説・説明していきます。

保証金とは

万が一の備えとして

短期ビザにおける保証金は、読んで字の如く、申請人(来日する人)の滞在費用を担保するために準備する金銭を指します。具体的な例を挙げると、冒頭の会話で出てきた数十~数百万円の残高がある銀行口座などが該当します。その他にも、稀ですが不動産や株式などの金融資産を申請に使用するケースもあります。

申請人が直接大使館に申請するケース

申請人(来日する人)が自分で提出書類を作成して、現地にある日本大使館・総領事館へ短期ビザの申請を行う場合は、保証金を保有していることの証明書を添付して、

申請人
私にはこれだけの資産があるので、滞在費用に関しては問題ありません

と審査官へアピールしていくことになります。そして、ここで重要なのは、申請人(来日する人)自らがその分のお金を準備しなければならないことです。

現地の旅行代理店を経由して申請するケース

この場合、保証金の預け先は現地(海外)にある旅行代理店になります。個人観光・団体観光の名目で短期ビザを申し込む際は、現地の旅行代理店がいわば保証人となり、申請書類を作成して日本大使館・総領事館へ提出します。

勿論、手放しで旅行者の身元を保証するほど代理店も優しくないので、

旅行代理店
私たちが保証する代わりに××万円を預けてください
申請人
わかりました、××万円入った銀行口座を用意します

といったような手続きを踏むことになります。そして、ここでも重要なのは、申請人(来日する人)自らが保証金を工面しなければならないことです。

保証金の準備はとても大変

申請人(来日する人)が会社員として働いていれば、時間をかけてコツコツ貯金すればいいだけの話です。しかし、無職やアルバイトの方がそれだけの大金を用意するのは非常に大変です。

そこで、申請人が機転を利かせて、日本側の協力者から送金してもらい、そのお金を口座に入れた状態で短期ビザを申し込もうとしているのが、冒頭の会話になります。

(数十~数百)万円以上残高のある銀行口座がビザの申請に必要だから、すぐに日本から送金してほしい

簡単に言うと、働いて貯金するより日本から送金してもらった方が早いということですね。

保証金の取り扱いについて
ここで紹介しているのはあくまでも一例です。大使館や代理店ごとに保証金制度の取り扱いが微妙に異なる場合もあるため、詳細に関しては直接確認されることをオススメします。

保証金が必要な理由

申請人は日本で就労ができない

短期ビザで入国した外国人はお仕事をすることができません。もし働いてしまうと不法滞在というれっきとした法律違反に該当します。

大使館・領事館
仕事をするのなら、そのためのビザを取ってから入国してください

そのため、短期ビザを申請するにあたって、滞在期間中困らない程度のお金を持っていることは申請における最低条件となります。海外などでよく耳にする、滞在費がなくなったから現地のお店でアルバイトをしてお金を稼ぐようなことは日本ではできません。

思いがけない出費

海外渡航において、想定外の出費はつきものです。何事もなく滞在していれば十分なお金であっても、体調を崩してしまったり、交通事故に巻き込まれた際は治療費や入院費が発生します。お金がないからといって病院に行かず我慢していると、後々大変なことになるかもしれません。

こういったリスクを除外するという側面からも、大使館・総領事館は申請人(来日する人)に一定額以上の保証金を要求しています。

海外の業者やブローカーの存在

怪しいと思ったら送金しない

日本だけでなく、海外にも私たちのように短期ビザの申請書類を作成する事務所は存在します。現地の弁護士さんなどが書類作成をサポートしてくれるのであれば、トラブルに遭う可能性は低いですが、得体の知れない個人にビザの取得を依頼する場合は注意が必要です。

勿論、正規の方法できちんと書類を整えられる優秀な人もいらっしゃいますが、勝手に偽造書類を作って強引にビザを申請する悪人がいるのも事実です。

仮に審査官の目を潜り抜けビザを取得できたとしても、2回目以降の申請で辻褄が合わなくなってしまうため、偽造書類を使用することは絶対にお止めください。また、現地の業者から個人情報(住民票や戸籍謄本)などを郵送するよう案内される場合もありますが、少しでも怪しいと感じればすぐに手続きのキャンセルを行ってください。

海外の業者に頼めば簡単にビザが取れるという言葉を鵜呑みにしないことが大切です。

海外送金をせずに短期ビザを取得する方法

これまで紹介してきた申請方法はすべて、海外側で書類作成・ビザ申請を行う前提で説明してきました。

申請人(来日する人)が自ら申請する場合、滞在費の支弁方法が一番のネックになり、またおふたりの関係性アピールや滞在予定の検討も非常に骨の折れる作業となります。加えて、短期ビザを取得するために多額のお金を海外へ送金することも、ある程度の勇気・覚悟が必要になるかと思われます。

そんな方にオススメしたいのが、日本側から申請人(来日する人)の招待を行うという方法です。

短期ビザにはふたつの申請方法があり、ひとつはこれまで説明した申請人自身が書類作成を行う方法、もうひとつは日本側で招へい人・身元保証人を立てて招待を行う方法です。

短期滞在ビザの申請方法2つと来日する人の収入・預貯金額について

2017.04.23

日本側で身元保証人を立てれば、申請人(来日する人)の保証金は不要となります。日本人側の収入状況(年収や預貯金)を大使館に説明・アピールすることで申請人側の金銭的問題を払拭するというロジックです。

この方法であれば、申請人(来日する人)がたとえ無職であっても、口座に貯金が全くない状況であってもビザを取得することが可能となります。海外側でのビザ取得が難しいようであれば、一度検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • 申請人が自分で短期ビザを取得するには保証金が必要
  • 偽造書類で申請するような海外の業者には要注意
  • 日本側からの招待だと保証金が不要になる
ここまで読まれた方は、もう一度冒頭の会話をご覧になってみてください。申請人(来日する人)の言っていることが理解でき、またそれなりに理に適っていることがお分かりいただけると思います。しかし、違法な申請に手を出したり、一度送金したお金を引き出して元に戻すような行為を弊所は推奨しません。

おふたりの関係や将来を見据えて、きちんとルールに則った範囲で申請する方が、余計なことで悩まずに日本滞在を満喫できるのではないかと弊所は考えています。