海外に駐在・赴任していた人が短期滞在ビザを申請する際の注意点2つ

海外に駐在・赴任していた人が短期滞在ビザを申請する際の注意点2つ

海外で暮らす友人や彼氏・彼女、取引先を日本へ短期間(90日間以内で)招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。このビザは俗に観光ビザ短期ビザとも呼ばれます。

申請にあたっては日本側で書類を準備・作成することになるのですが、その際招へい人(招待する人)・身元保証人はそれぞれ日本で暮らしていることが大前提となります。

短期滞在ビザの「招へい人・身元保証人」が気をつけたい3つのルール

2017.02.11

そのため、

  • 海外赴任のため数ヵ月前に帰国したばかり
  • 出張のため一時的に住民票を抜いていた
  • 最近まで海外へ留学していた

このような比較的長期間海外で暮らしていた方が申請を行うケースでは、必要な書類が取得できなかったり、通常の申請では提出しない特別な補足資料を作成しなければならない場合が多々あります。

この記事では、そんな海外赴任・駐在歴のある方が申請書類を準備・作成する上での注意点を解説しています。中でも、絶対に押さえておきたい、

  1. 市役所・区役所で取得する書類
  2. 提出できない場合に別途準備する書類
これらふたつを順番に説明していきますので、是非参考にしてください。

1.市役所・区役所で取得する書類について

1月1日時点で住民票を抜いていると取得できない書類

短期ビザ(観光ビザ)の申請にあたり、日本大使館・総領事館は身元保証人の収入状況を証明する資料として、

  • 課税(所得)証明書

を提出するよう公表しています。この証明書はほぼすべての大使館が指定していますので、来日する方の国籍や居住地域によらず必要になるとお考えください。

そして、この課税(所得)証明書をあなたのお住まいの市役所・区役所から発行してもらうにはひとつ条件があります。それは、その年の1月1日からその地域で暮らしている、すなわち1月1日時点で住民票を置いていることです。

日本国内の企業に勤めて、日本国内に住所を構えている人にとっては何の障壁にもなりませんが、海外に赴任していた方にとっては非常にやっかいな問題になります。

なぜなら、日本国内で引っ越しをした方は、以前暮らしていた市役所・区役所にて簡単に課税(所得)証明書を請求することができます。一方で、海外赴任を終えその年の1月1日以降に帰国し住民票を置き直した場合、そもそも以前暮らしていた地域は日本国内ではありません。

つまり、市役所・区役所から証明書自体が発行されません

課税(所得)証明書は市役所・区役所によって名称が異なります。

1月1日以前に帰国している場合も要注意

具体例として、前年の10月に日本へ帰国して住民票を置き直し、翌年の6月に短期ビザ(観光ビザ)を申請するケースを考えます。

この場合、1月1日時点で住民票を日本国内に置いているため、課税(所得)証明書自体は発行できます。

しかし、課税(所得)証明書は、発行された年の前年分の総所得を記載したものとなりますので、前年の1月~12月までの収入を証明することになります。今回挙げた例では、「10月」に帰国してきたため、実質は10月~12月の収入を証明することとなり、記載される年収額が極端に低くなってしまいます

もし、このまま何の説明もせずに提出してしまうと、

大使館・領事館
この方に十分な身元保証力があるとは認められない

と判断され、不許可になる可能性が非常に高くなります。

勿論、提出された書類を見ていくと海外で仕事をしていたことは分かりますが、大使館・総領事館も記載されている数字で判断せざるを得ないので、

大使館・領事館
この期間でこの収入額ということは、だいたい12か月分でこれくらいの金額になるでしょう

とは考えてくれません。

以上の理由から、海外赴任・駐在していた方が短期滞在ビザを申請する際は通常に比べて難易度が高くなります。

では、この場合どのような書類を準備すれば有利に審査を進めることができるでしょうか?

2.提出できない場合に別途準備する書類

2-1.直近の収入を証明できる資料

ひとつ例を挙げると、給与明細書などが該当します。課税(所得)証明書に上がってこない収入額をこれでカバーしていくとイメージしてください。

ただ、給与明細書はあくまでも所属先の企業から発行されるものになるので、市役所や区役所、税務署などが発行する証明書に比べて書類自体の信用力がどうしても低くなってしまいます。極端な話、審査を有利にするため事実とは異なる内容の明細を作成することも可能だからです。

また、上記の理由からほとんどの日本大使館・総領事館で、給与明細書は収入状況を証明できる資料に該当していません。つまり、そのまま提出すると受理されない可能性があります

大使館・領事館
きちんとこちらが案内している課税所得証明書を取得してからもう一度来てください

このような案内をされないためにも、給与明細書などを提出する際は一緒に添付するべきもうひとつの書類も作成しておくことを強くおすすめします。

2-2.給与明細書を提出するに至った補足説明書

大使館・総領事館はあなたに都合の良いよう解釈はしてくれません。給与明細書を提出しただけで、

大使館・領事館
この人(身元保証人)は直近まで海外に赴任していて、役所から証明書を発行できないと言われてしまったんだな

ここまでの判断はしてくれないと考えておきましょう。そのため、あなた自身で必要書類が提出できない旨を書面でアピールしていくことが大切になります。

書面の記載内容に関しては、個々の案件によって大きく異なるため一概には言えませんが、

  • 提出できない旨をはっきり表記する
  • その上でなぜ提出できないかの理由
  • 代わりにどんな書類を提出するか
  • その書類は何を証明しているものか
最低でもこれらの事項は必ず記載するようにしてください。また書式は自由なので、手書きでもパソコンで作成したものでも構いません。

課税所得証明書が提出できない時点でイレギュラーな申請になるため、この補足説明書でしっかりと審査官にあなたの状況を伝えることが許可率を高めるポイントとなります。​

課税所得証明書が発行できる場合
その年の1月1日以前に帰国された場合、同証明書は発行できますが収入額は低く記載されてしまいます。その際にも同様に給与明細書などを準備し、補足説明書を作成・提出するようにしましょう。

まとめ

  • 海外赴任していた場合は必要書類を取得できないケースがある
  • その場合は別途代用できる資料(給与明細書など)を準備
  • 代用資料を提出するに至った理由を記載した補足説明書の作成・提出

海外赴任中に現地で仲良くなった人を日本に呼んであげたいという案件は弊所でも非常に多くお受けしています。また、海外留学中に交際を始めた彼氏・彼女を日本に呼ぶケースでもこの記事は参考になるかと思います。

この他にも、短期ビザ(観光ビザ)の申請にあたって知っておくべき情報を当サイトではたくさん紹介していますので、是非ご覧いただき今回の申請を有利に進めるようにしてください。