短期滞在ビザ申請に必要な課税証明書の基礎知識6つ

短期滞在ビザ申請に必要な課税証明書の基礎知識6つ

海外で暮らす友人や彼氏・彼女、親族を日本へ短期間(90日間以内で)招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。このビザは俗に観光ビザ短期ビザとも呼ばれます。

そして短期ビザの申請には、日本側の招へい人(招待する人)や身元保証人の職業証明所得証明資料が必要になります。

今回はその中でも、審査の過程でポイントとなる課税証明書所得課税証明書の取り扱いについて詳しく解説していきます。

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課税証明書とはどういった書類なのか

まず、一般的に課税証明書は前年度の収入に基づく住民税の金額を証明するものになります。

役所
あなたにはこれだけの住民税が課税されますよ

ということが課税証明書には記載されていると考えてください。また、各市区町村によって名称も異なっており、

  • 課税証明書
  • 所得課税証明書
  • 課税(所得)証明書
  • 課税台帳記載事項証明書
上記のように統一されていないのも特徴です。そして課税証明書には住民税額の他に、その算定根拠となった1年間の収入(所得)額も計上されています。

短期ビザの申請にあたってポイントとなるのはこの収入額で、大使館・総領事館の担当官は同証明書に記載されている収入額で身元保証人(または招へい人)の保証力を審査していきます

身元保証人
自分には××万円の収入があります!

とどれだけ主張しても、課税証明書に記載されている金額が基準になるという認識を持ってください。なお、これには一部例外が存在しますので、後ほど改めて紹介します。

無収入の場合は非課税証明書として発行されます。

課税証明書の発行元

課税証明書

こちらが課税証明書の見本になります。

原則、あなたがお住まいの市役所・区役所で取得できますが、これには条件があり、当該年度の1月1日時点で住民票を登録している場合に限ります。

例えば、その年の1月1日時点でA市(A区)に住民票を置いていれば、そのままA市(A区)の役所で課税証明書を受け取ることができます。

しかし、1月1日時点でB市(B区)に暮らしていた人が、引越しなどでA市(A区)に移転したケースでは、A市(A区)の役所で書類を受け取ることができません。この場合の請求先はB市(B区)になります。

つまり、課税証明書は取得したい年度の1月1日時点に住所があった役所へ請求しなければならない、ということです。

距離的に訪問が難しい場合は郵送請求で取り寄せることも可能です。希望される方は各自治体にお問い合わせください。

課税証明書の取得可能時期

一方で、課税証明書が取得できる時期はその年の1月1日ではありません。毎年5月から6月にかけて自治体が順次課税額の情報を更新していきますので、そのタイミングで取得が可能になります。

例を挙げると、平成30年2月1日に平成30年度の課税証明書を取得することはできず、1年前の平成29年度の課税証明書を請求することになります。なお、この場合は平成29年度のものが現時点で最新の書類になるので、そのまま短期ビザ申請に使用することが可能です。

有効期限について
課税証明書は発行後3ヵ月以内のものを提出しなければなりません。有効期限を過ぎてしまうと再提出になってしまいます。

収入・年収はいくらあればいいか

250~300万円が目安

多くの方が気にされる点ですが、結論からいえば年収250~300万円がひとつの目安になります。

課税証明書でいうと、収入内訳給与収入・給与支払金額の欄が250~300万円で計上されている必要があります。

課税証明書
所得内訳の給与所得欄ではないので注意してください。なお、個人事業主・自営業の方は原則課税される所得金額が収入額に該当します。

ただ、あくまで収入額の多寡は数ある審査項目のひとつに過ぎないので、年収が低くても気を落とすことはありません。現に上記のボーダーを下回る方でも許可になっていますし、逆にボーダーを遥かに超える年収の人でも不許可になるケースはあります。

またご自身の収入が心もとないと感じるのであれば、別途身元保証人を追加することも可能です。

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課税証明書取得時に注意するべき人

これまでは、身元保証人を日本国内の企業で継続して勤務している人という前提で説明してきましたが、次の章からは海外駐在直近での転職経験など、少しイレギュラーな状況にある人へ向けて解説していきます。最初の章で記載した「一部例外」の説明です。

海外に駐在している/していた

まず、短期ビザ申請における身元保証人は、現時点で日本国内に暮らしている、すなわち住民票を置いていることが第一条件です。そのため現在進行形で海外駐在中の人は、どれだけ年収が高くても身元保証人になることはできません。

このケースでは、日本で暮らす親族(親・兄弟姉妹など)に身元保証を依頼することになります。

厳密には、住民票も用意できないので招へい自体も在日親族に依頼し、駐在者は別途関係証明書類を作成することになります。

一方で、駐在を終え現在日本で暮らしている人は、住民登録を済ませているので招へい人にはなれます。しかし、冒頭に記載した1月1日問題がネックになってきます。

当該年度の1月1日以前に帰国している

前年の序盤に帰国していない限り、課税証明書には著しく低い収入額が計上されることになります(原則)。そのため、その合理的な理由を説明する別紙(説明書)を作成して添付することになるでしょう。

当該年度の1月1日以降に帰国している

1月1日時点では日本に生活の本拠(拠点)がなかった、つまり住民票が存在していなかった場合、課税証明書は発行されません。このケースにおいても、必須書類であるはずのものが準備できないので、その旨を詳細に記載した説明書を添付することになるでしょう。

より詳しく知りたい方は、下記の参考記事をご覧ください。

駐在・留学中の人が外国人と一緒に帰国する際の短期滞在ビザ申請方法

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直近で転職経験がある

海外駐在者と異なり、日本国内の企業間で転職している以上は住民票も課税証明書も問題なく取得できますので、申請書類は一応整います。

ただ先ほど説明したとおり、請求時期によっては1年前の課税証明書を取得することも往々にしてあります。そして、その場合に考えられるのが、転職前の給料が証明書に計上されているパターンです。

そのままの状況で大使館・総領事館へ申請しても何ら違反ではありませんが、可能であれば、書類に上がってきている収入額と現在の給与に相違がある旨をきちんと伝えてあげたほうが審査官の心証も良くなると予想されます。これもまた別紙で説明書を作成、添付してあげましょう。

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源泉徴収票がダメな理由

よくご相談を受ける中で、

身元保証人
源泉徴収票で代用できますか?

との質問をいただきますが、短期ビザの申請において源泉徴収票の使用・提出は原則不可とお考えください。理由は多くの国・地域で収入証明資料として認められていないからです。

サラリーマンの方であれば、年末にかけて勤務先が源泉徴収票を発行してくれるので、手もとにあればそのまま提出したい気持ちも理解できます。しかし信用力・証明力の観点から見ても役所が発行した文書を用意するのが望ましいでしょう。

例外的にパキスタンの一部地域では源泉徴収票の提出が認められています

まとめ

  • 当該年度の1月1日時点で住民票がある役所で取得
  • 年度の切り替わりは毎年5月~6月
  • 説明書が必要になるケースもある
このページを読んでいただくと分かるように、課税証明書は短期ビザ申請の中でも非常に重要な書類のひとつです。後半では説明書の話も紹介しましたが、書類同士で食い違いや矛盾が生じている場合はそのままにせず、別紙で詳細に説明していく心掛けが大切です。

また課税証明書のルールとして、当該年度の1年前の収入が反映されることは知っておいてください。仮に平成29年度の課税証明書を取得した場合、書類には平成28年分の年収が記載されます。こちらも勘違いが多いので注意してください。