海外で暮らす友人や彼氏・彼女を短期間(90日間以内で)日本へ招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。
そして、駐在や留学等の理由で日本を離れている方が、現地の恋人/友人と一緒に帰国し、そのまま観光や家族紹介を行う場合も、短期滞在ビザが必要になります。
この記事では、駐在員や留学生と一緒に帰国する際の短期ビザ申請を解説しています。
この記事の目次
海外在住者が注意するべき点
原則、海外在住者は招へい人・身元保証人になれません。
日本国内の住所登録が条件
日本側から外国人を招待する場合は、招へい人・身元保証人と呼ばれる役割が必須になります。
- 招へい人実際に招待する人/あなた
- 身元保証人来日後の面倒を見る人
そして、招へい人や身元保証人を担うには、日本国内に住所を登録しているという条件を満たす必要があります。つまり、住民票が発行されなければ招へい人や身元保証人にはなれません。
駐在員や留学生は日本出国前に住民票を抜いているケースがほとんどのため、この時点であなたが主体となっての短期ビザは申請できなくなります。
短期ビザの申請は住民票が必須
このように主張したとしても、原則は認められません。
すべての国にある大使館・総領事館が住民票を申請時の必須書類に指定している以上、用意できなければ受理自体を断られることになるでしょう。
日本の家族に協力してもらう
自分でビザが申請できない場合、取るべき方法はひとつです。日本で暮らしている親族から代わりに招待してもらう方法です。
具体的な流れは、まず住民票が発行される親や兄弟に招へい人と身元保証人を担ってもらいます。そして、あなたと申請人(外国人)の間に立って書類を整えてもらい、再度あなたを経由し、申請人が管轄の窓口へ完成書類を提出します。
身元保証人の責任について
親や兄弟が身元保証人になったとしても、通常の申請と同様、原則は法的責任を負いません。あくまでも道義的責任にとどまります。
申請書類の組み立て方
自分以外に招へい人・身元保証人を依頼する場合は、審査官にも事情を伝えるため、別途資料の添付をおすすめします。
理由書等は親族側で作成
あなた申請人(外国人)親族
まずは、このように3人の関係をひとつの直線に繋げるイメージを持ってください。
あなたが招へい人を担う場合は「あなた申請人」の関係性だけを示せば済みますが、今回のケースではそれに加えて「申請人親族」の関係性について記述した書面が求められます。
駐在・留学中の方は日本在住の親族が招へい人・身元保証人になるので、「申請人親族」の部分を招へい理由書や招へい経緯書で伝えていくことになります。
第二の理由書/経緯書を添付
「あなた申請人」の部分に関しては、理由書以外に別途書面を作成しておきましょう。
- あなたと申請人にまつわるエピソード
- どういった経緯で今回の招待に至ったのか
- なぜあなたが招へい人にならない(なれない)のか
- 複数いる親族の中でなぜその人が代行するのか
- 親族は今回の招待をどう考えているのか
上記のほか、伝えるべき点は個々の内容によりますが、要は「あなたと申請人の関係性」をきちんと主張するためにこの書面を準備します。
あなたの親族は単に手続きを依頼されたに過ぎないので、そこまで詳しく「あなた申請人」について記述できません。そこで、あなた側で別途書面を作成したほうが審査官にも伝わりやすいと考えられます。
親族の収入状況について
最後に、親族が身元保証人となって短期ビザを申請する以上、あなたの収入状況ではなく親族の収入状況を基準として審査が進んでいくことに注意しなければなりません。
申請人(来日する外国人)の滞在費や帰国旅費をカバーできる位の資力を持った親族が代行しないと、許可をもらうのは難しいといえます。
- 所得課税証明書
- 在職証明書
- 登記事項証明書
- 預金残高証明書
- 確定申告書控えのコピー
- 戸籍謄本
一般的には上記の中から資料をピックアップします。あくまでも参考程度ですが、実務上は年収300万円程度、預貯金100万円程度が審査のボーダーになります。
まとめ
- 海外在住者は原則申請主体になれない
- 日本で暮らす親族の協力が必要
- 関係性を説明する書面の添付
今回紹介した方法は変則的なので、全員が同じかたちでの申請になるとは限りません。あなたと申請人が別の国や地域に暮らしているケースではさらに手続きが複雑になります。
もちろん、あなたが再び住民票を置けば通常の申請が可能になるので、先に日本へ帰国してしまうのもひとつの方法といえます。