日本側で招へい人・身元保証人を立てて短期滞在ビザを取得するにあたって、諸事情から第三者に知られずに招待したい、というご相談をまれにお受けします。
- 恋人を呼びたいが親に反対されている
- 離婚調停が長引いている,など
結論からいうと、特定の親族や家族に内緒で申請することは原則できません。
ただ、必ず身内に調査や連絡が入るわけではなく、どのようなかたちで審査を実施するかは管轄の日本大使館・総領事館に委ねられています。
大使館等での審査の流れ
通常、短期ビザ/観光ビザの申請で面接などはありません。
原則は書類審査
通常、短期滞在ビザは提出された書類のみで審査が進むため、提出した資料に問題がなければ実態調査は実施されません。
しかし、受領した資料だけでは不明点を払拭できず、審査が中断する場合もあります。
書類審査以外のアクション
中断せずに審査が進めば、そのまま結果が通知されるため第三者に連絡は入りません。
ただ、一旦審査が止まった場合、大使館側も判断しなければならないので、何らかのアクションを起こすことになります。
大使館側がとる4つの行動
ざっくりと以下のように分類できます。
その時点で不許可にする
中断するケースのほとんどは、資料の添付漏れや記載すべき事柄を省略したことが原因です。
書類不備の程度があまりにも大きいと、追加の調査すらされない場合があります。
上記のようなご相談もよくお受けしますが、簡単に再申請できないのが短期滞在ビザの厄介なところです。原則、短期ビザは不許可になると同一内容での再申請が6ヵ月間制限されます。
追加書類の提出通知
審査が中断した場合、追加の書類を求められることはよくあります。
どの書類を求められるかは個々の案件によって様々ですが、申請人1と招へい人の関係性や日本側身元保証人の収入状況に関するものが多い印象を受けます。
この場合は、少なからず前向きに審査を行ってくれているので、追加資料さえ整えられれば十分許可の見込みはあるといえます。
もちろん、追加資料の提出通知は無視できますが、その時点で審査の継続は不可能と判断され、不許可ないし終止2を言い渡されるケースが大多数を占めます。
外務省への照会・審査
審査を行う日本大使館・総領事館は外務省の管轄になるため、審査の途中で確認したい事項があれば、外務省と共同で調査等を実施するケースがあります。
日本大使館/総領事館から外務省(東京)に照会して審査する場合もあります。その場合、審査結果が出るまでに時間を要する場合があります。[外務省Webサイト抜粋]
外務省内部でどのような審査が行われているかはブラックボックス3になっており、一般には公開されていません。
こういった調査の結果、事実確認の必要性ありと判断されれば、大使館・総領事館等から関係者へ連絡が入る可能性もゼロではありません。
電話調査・面接
電話や面接/面談は俗にインタビューとも呼ばれます。
実際に大使館側から電話がかかってきますが、対象者は申請人(来日する外国人)・招へい人・身元保証人に限られません。なお、“面接/面談”の対象は原則申請人のみです。
実際は、滅多に電話調査は実施されませんが、だからといって伝えるべき人に黙って申請したり、同居している親族に嘘をついたりすると相応のリスクを負います。
また交際相手を友人、友人を取引先だと伝えることも不要なリスクを増やす原因になります。仮に言いたくないことがあったとしても、これを機に話しておくことをおすすめします。
まとめ
- 大使館側の審査手順は多岐にわたる
- まれに電話調査が実施される
- 外務省への照会が入ると審査期間も延びる
身内以外にも、勤務先へ在籍確認等が入る場合もあります。
知っていた知らなかったのトラブルを防ぐためにも、可能であれば関係する人物に対して、何の目的でいつから招待するのかは伝えておいたほうがよいかもしれません。