海外で暮らす友人や彼氏・彼女、取引先を日本へ短期間(90日間以内で)招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。
そして、短期滞在ビザ(観光ビザ)は申請書類を提出するだけで自動的に発給されるものではありません。提出された書類をもとに厳格な審査が行われ、場合によっては電話や面談形式での質問・インタビューを受けることになります。
そのため、申請者によって審査が完了する期間に大きく差が出てしまうのが短期滞在ビザの特徴のひとつとなっています。
この記事では、そんな短期滞在ビザの、
- 申請書類の準備から来日までにかかる日数
- 具体的な申請の流れ
基本的に、申請書類の精度が上がれば上がるほど審査期間は短くなります。文書間の矛盾や資料の添付漏れがないよう注意し、1日でも早く来日できるような書類の作成を心掛けてください。
1.必要書類の確認:約1週間
ここを間違えると計画がパーになります
まずは申請にあたってそもそもどういった書類が必要になるのか?を確認することから始めます。
「これらの書類を準備してください」と弊所からアドバイスできればいいのですが、
- 来日する人と招へい人(招待する人)の関係性
- 招へい人と身元保証人の関係性
- 身元保証人の職業・年収
- 申請する日数
- 滞在の目的
- 在外公館の管轄区域
※一部抜粋
上記のような様々なプロフィールや条件から必要書類を判断していますので、ここに一覧を記載することはできません。
そのため、ご自身で資料の準備をされる場合は外務省の在外公館ページから来日する方の居住地を管轄する大使館・総領事館のページへアクセスし、
- 知人訪問(交際相手含む)
- 親族訪問(3親等以内)
- 短期商用
上記3つの中からあなたに該当する申請の必要書類や補足資料を準備していくことになります。
ただ、大使館・総領事館の案内を見ていくにつれ、


などなど、色々な疑問が浮かんでくるかと思います。
その際は、管轄の大使館・総領事館へ直接国際電話などで問い合わせるか、外務省のインフォメーション・サービスで確認を取るようにしてください。
以上を踏まえて、必要書類の確認には1週間程度かかるとお考えください。
2.必要書類の準備:約1週間
市役所・区役所がメインになります
リストアップした必要書類を実際に取得していきます。外務省ホームページからダウンロード可能な書類はすぐに用意できますが、住民票や課税所得証明書、納税証明書が必要な場合はお住まいの市役所や区役所まで出向くことになります。
お仕事の都合や郵送で請求する場合なども踏まえて、取得にも約1週間かかるとお考えください。
3.申請書類の作成:2~3週間
ここで許可・不許可が決まります
いよいよ実際に書類作成へ入っていきます。
書類の書き方に関してはここで紹介できないほど膨大になるので、
上記のカテゴリから、該当する書類を選んで作成の参考にしてください。
また、来日予定日が迫っているからといって中途半端な書類を提出することだけは避けてください。追加書類や訂正の案内が入ればまだラッキーですが、通常であればそのまま不許可になってしまい、半年間再申請ができなくなります。
初めて申請書類を作成する場合、1枚の書類を完成させるのに色々悩んだり考えたりで1~2日はかかってしまうでしょう。平日は仕事で時間が割けないという方は余裕を持って3週間程度を目安に作成期間を設定してください。
4.申請書類を海外へ郵送:数日~1週間
弊所ではEMSをオススメしています
短期ビザの申請においては本人申請が原則なので、申請人(来日する人)が直接原本書類を持って申請先の大使館・総領事館・代理申請機関(※)へ出向くことになります。
申請書類には署名及び捺印が必要になるため、必ず原本書類を申請人(来日する人)へ郵送するようにしてください。コピーだと大使館・総領事館は受理してくれません。
なお、海外への書類の郵送はEMSをおすすめしています。
EMSは世界120以上の国や地域に30kgまでの書類やお荷物を安心、簡単、便利に送れる国際郵便で最速のサービスです【日本郵便株式会社ホームページより】
また、EMS以外を利用される際は後々のトラブルを防ぐためにも、
- お届け日数が早い
- 追跡サービスが受けられる
最低でも上記ふたつを満たしている国際郵便を選ぶようにしてください。
5.現地の大使館・総領事館にて審査:1週間~
案件によっては1ヵ月近くかかることも
通常であれば、審査期間は申請受理の翌日から起算して5業務日です。約1週間とお考えください。
ところが、申請者によっては2~3週間、また1ヵ月近くビザの発給までに日数を要する場合があります。その理由としては、
- 申請内容に疑義(疑問点)がある場合
- その他外務本省(東京)での慎重な審査が必要と認められる場合
- 申請が重なり大使館・総領事館が混雑している場合
(1)と(2)に関しては、
- 審査官が疑問に思うであろう箇所
- 申請に至った経緯・目的
を前もって正確に、かつ矛盾がないよう伝えることで審査期間が延びるリスクを抑えることができます。また、別途補足資料や補足説明書を添付するのも非常に有効でしょう。
ただ、(3)に関しては、お盆・お正月・GWなど長期休暇の時期はどうしても申請が混み合ってしまうため審査が延びるのは避けられません。(もっとも普段から査証窓口は混み合っていますが)
また、書類を提出する際に大使館側の判断で、

と受理自体を拒否される場合もあるので、余裕を持って来日予定の2~3週間前には申請書類を提出してもらうようにしましょう。
まとめ
- 必要書類の確認:1週間
- 書類の取得:1週間
- 書類の作成:3週間
- 書類の郵送:~1週間
- 現地での審査:1~3週間
申請にあたり、ある程度早く許可が出てしまっても問題ありません。ビザ(査証)の有効期間は90日間ありますので、発給されてから3ヵ月以内に入国すれば適法に日本で滞在することができます。例を挙げると、2月1日にビザが発給されれば5月1日までに入国すればよいことになります。
中途半端な書類を提出してしまうと審査期間が延びるだけでなく、面談や電話質問を受ける可能性も高くなります。嘘を書くつもりがなくても、書き方ひとつで結果的に嘘を記載した状態になってしまうのがビザ申請の怖いところです。
できるだけ時間にはゆとりを持たせて作成にあたってください。