過去に興行ビザで来日し、フィリピンパブなどの飲食店でタレント活動を行っていた外国人1を再び短期滞在ビザで呼ぶことは、通常の申請に比べて難易度が高いとされています。
しかし、可能性がないわけではなく、申請の時期やタイミング、書面で伝えるべきポイントを正確に把握して審査に臨めば、許可が下りる見込みは十分にあります。
この記事では、飲食店の元従業員・タレントの観光ビザ申請をテーマに解説しています。
この記事の目次
なぜ元タレントの短期ビザ取得は難しいのか
パブなどで勤務していた外国人は、どうしても就労目的の来日を疑われる傾向にあります。
短期ビザでの仕事はNG
短期滞在ビザでは、一切のお仕事・就労活動が法律で禁止されています。外国人が日本国内で働くためには、どんな理由があれ就労ビザ2を取得しなければなりません。
また虚偽申請で(観光目的と偽って)短期ビザを取得し、そのまま不法滞在を続ける外国人もあとを絶たないため、許可・不許可の判断はよりシビアになっています。
就業先を見つけやすい
仮に、過去に短期滞在ビザでの来日歴があり、その際何のトラブルもなく帰国していれば、ある程度の信用が得られるので審査のハードルは低くなると考えられます。
しかし、今回のように、直近で仕事のために来日していたケースでは、比較的容易に就業先を確保できると判断され、審査対象となる項目は増える傾向にあります。
両方とも帰国が前提のビザ
タレントビザ(興行ビザ)を所持している外国人は、3~6ヵ月程度の比較的短い期間で日本に滞在し、お仕事が終わると自国へ帰っていくスタイルが多数を占めます。
そのため、タレントビザ(興行ビザ)は、母国へ戻ることを前提として発給されるビザともいえ、これは短期滞在ビザに関しても同じことがいえます。
つまり、タレントビザと短期滞在ビザはそれぞれ性質が似通っています。
だからこそ、上記のような主張をはっきりと書面で伝える必要があります。
申請時期・タイミングについて
結論からいえば、帰国後から3ヵ月~6ヵ月空けることをおすすめします。
期間を空けるほど有利になる
申請時期に関しては、帰国後から期間を空ければ審査で有利になります。来日の時期を後ろにずらすことで、大使館・総領事館から就労に関する指摘を受けにくくなります。
直近の帰国日から3ヵ月が経過していれば、申請する価値はあるといえます。半年程度経過してからの申請がベターですが、待ったからといって100%許可になるわけではありません。
- 帰国後数週間かなり厳しめの審査になる
- 帰国後1ヵ月厳しめの審査になる
- 帰国後3ヵ月申請する価値あり
申請の内容にもよりますが、上記の表が一種の目安になるとイメージしてください。
書面に記載するべき項目
最後に、書類作成のポイントについて説明します。
ロジカルな文章を心掛ける
具体的には、下記のような項目に注意し、様々な角度から申請の健全性を示していきます。
- 滞在中の費用負担は十分に可能か
- なぜもう一度来日するに至ったのか
- 滞在中はいつどこで何をするのか
- 友人関係であればそれを証明できる資料はあるか
- 恋人関係であれば今回の渡航について親は把握しているか
- 来日中に家族との面会は行うのか
- 結婚を前提とした交際なのか
- 今回の申請に至った一番の目的は何か
外堀から順番に埋めていく感覚で作成にあたってください。裏付けの取れる事実を散りばめ、少しずつ許可率を積み上げていくイメージです。
また申請者ごとに事情は異なるので、虚偽の内容は避けつつ、これまで築き上げてきた関係をありのままに伝え、ロジカルに説明していきましょう。
まとめ
- タレントビザと短期ビザは性質が似ている
- なるべく3ヵ月以上の期間を空ける
- 就労目的でないことを伝えましょう
「恋人・交際相手としてもう一度呼びたい」という案件のほうが体感的に多い印象を受けますが、どちらにしろタイミングと書面さえ整えば短期ビザの取得は狙えます。
また申請人(来日する元タレントさん)の状況だけでなく、日本側の身元保証人の収入状況も審査ではポイントになります。年収が300万円に届かない場合は別途保証人の検討をおすすめします。