研修・技能実習生で来日していた人を再び短期滞在ビザで招待する方法

研修・技能実習生で来日していた人を再び短期滞在ビザで招待する方法

海外で暮らす友人や恋人、親族、取引先を日本へ短期間(90日間以内で)招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。このビザは俗に観光ビザ短期ビザとも呼ばれます。

そして、前回技能実習生(研修生)として日本に滞在していた人を再び短期ビザで招待することは、通常の申請に比べてかなりハードルが上がる傾向にあります。

ただ、ハードルが上がるといっても100%不許可になってしまうものではなく、申請を行うのにベストな時期審査官に伝えるべきポイントをしっかり把握して申請に臨めば、意外とすんなり許可をもらえるケースもございます。

今回の記事では、そんな元技能実習生・研修生を短期ビザで招待する際のポイントを大きくふたつに分けて紹介していきます。

また元技能実習生だけでなく、以前お仕事のビザ(興行など)で来日していた人にも共通する部分は多くあるので、そういった方にも是非参考にしていただければと思います。

  1. 申請を行うのにベストな時期について
  2. 審査官に伝えるべきこと

それでは上記ふたつに関して解説します。

当記事は短期滞在ビザで招待を行う事例についての内容になります。技能実習生を再び技能実習で招待することを目的とした記事ではありません。

1.申請を行うのにベストな時期について

1-1.期間を空ければ空けるほど有利になる

まず、技能実習というビザの概要から理解しましょう。

この制度は、技能実習生へ技能等の移転を図り、その国の経済発展を担う人材育成を目的としたもので、我が国の国際協力・国際貢献の重要な一翼を担っています。
【公益財団法人国際研修協力機構HPより】

「この制度」というのは「外国人技能実習制度」を指します。中でも重要な部分は「技能等の移転を図り、その国の経済発展を担う人材育成を目的としたもの」です。

分かりやすくいえば、一般的な就労ビザ(技術・技能・経営管理など)は、日本国内において経済活動を行うために整備されたものなのに対し、技能実習ビザは日本国外において経済活動を行う人のために整備されたビザであるということです。

大使館・領事館
日本でたくさん学んで、経験を積んで、自国のためにその技術を活かしてください

つまり、技能実習ビザは最初から本国に帰国するという前提で与えられるビザであることがいえます。その先もずっと日本で生活していくことを想定していません。

もうお分かりかと思いますが、日本で得た技術や知識を本国で活かすために滞在していた人が、本国で生活せずにまた日本へやってくるという矛盾が短期ビザの申請をより複雑なものにしています。これが元技能実習生を短期ビザで招待する際の一番の障壁になります。

大使館・領事館
技能実習から帰ってきたのに何でまた日本へ来るの?折角自国で活かせる知識を身に付けたのに?

この矛盾を払拭するための方法として、まず申請書類の提出時期を延ばすことが挙げられます。勿論、申請の時期を延ばせば延ばすほど矛盾点は弱くなっていきます。

1-2.どれくらいの期間を空けるのがベスト?

結論から申し上げると、直近の帰国日から6ヵ月が経過していればほぼ安全圏といえるでしょう。ただ短期ビザの性質上、100%許可が下りるということはありませんので、仮に1年待ってからの申請でも不許可になる方は少なからずいます。

一方で弊所にご依頼くださったお客様の中には、帰国後3ヵ月の申請で許可が下りた方もいれば、早い方で帰国後2週間の申請で許可をもらった方もいます。とは言ってもこれくらいの期間になると不許可になるケースの方が多いのも事実なので、目安としては、

  • 帰国後1ヵ月:かなり疑われての審査になる
  • 帰国後3ヵ月:申請してみる価値はある
  • 帰国後6ヵ月:まず問題ないでしょう
上記の基準を参考にスケジュールを組まれることをオススメします。

またここで「疑われての審査」と表現しましたが、実際にどのように疑われるのかを次の章で解説していきます。

2.審査官に伝えるべきこと

就労活動は行いません

例えば、あなたが仮に審査官だとして、下記のような申請を担当した場合どのような印象を受けるでしょうか?

招へい人
最近まで技能実習生で来ていた人をもう一度招待します。渡航費や滞在費はこちらで負担するので安心してください。

おそらくほとんどの方が「この人はもう一度日本で働かせようとしているのか?」と感じたのではないでしょうか。

当たり前ですが、申請先の大使館や総領事館も全く同じ角度で審査を行います。むしろもっと露骨といってよいかもしれません。「もう一度働きに来るのかな」と少しでも思われたら一発で不許可になると考えておいてください。

なぜなら、短期滞在ビザでの就労活動は法律で禁止されているからです。また短期ビザで入国後、違法就労目的で日本に滞在し続ける外国人もあとを絶たないため、大使館・総領事館がより厳しく審査を行うといった背景もあります。そのため、

大使館・領事館
確かに以前技能実習生で来日していたけど、今回の渡航は全くの別件で、働くことなんて絶対にしないだろう

このような判断をせざるを得ない書類の作成・準備が許可を得るためのキーポイントになります。具体的には、申請人が日本国内で就労活動を行わないことを書面上でアピールしていくことになります。

ただ、単純に「今回の滞在では報酬を受ける活動を行いません」と記載するだけでなく、

  • 働かなくても滞在中の費用を負担できるのか
  • 滞在中はいつどこで何をするのか
  • そもそもなぜもう一度招待するに至ったのか
  • 友人関係であればそれを証明できる資料はあるか
  • 恋人関係であれば今回の渡航について両親は把握しているのか
  • 今回の申請に至った一番の目的は何か
などなど申請にまつわる様々な状況の描写や補足説明を行って多面的にアピールしていくことが大切になります。こうやってひとつずつ裏付けの取れる事実を散りばめることによって、少しずつ許可の確率を上げていく作業が必要不可欠となります。

招へい人
上記に挙げたような事情を経て、今回仕事ではなく純粋に観光を楽しむために日本へ招待しているんですよ

というふうに外堀から順番に埋めていく感覚を養ってください。また、こう書けば大丈夫といったテンプレートも存在しません。あなた方ひとりひとりに事情が異なるので、ふたりで築き上げてきた関係をありのままに伝え、またロジカルに説明できるような文章の作成を心掛けてください。

まとめ

  • 急ぎでないなら6ヵ月間の期間を空けて申請する
  • 就労目的でないことを論理的にアピールする
「職場の同僚として仲良くなった人を再び日本に呼びたい」という相談は弊所がよく受ける依頼のひとつです。友人としてでなく恋人として招待したいという案件の方が体感的に多い印象を受けますが、どちらにしろ状況さえ整えば大いに許可が見込める可能性はあります。

申請の待機期間に関しては弊所で何かできるわけではないですが、おふたりの経歴や収入状況次第では自信を持ってご協力できる場合もございますので、ご不安な方は是非一度弊所までご相談ください。