経営者・会社役員が短期滞在ビザを申請する際の2つのポイント

経営者・会社役員が短期滞在ビザを申請する際の2つのポイント

海外で暮らす友人や彼氏・彼女、取引先を日本へ短期間(90日間以内で)招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。

そして、申請にあたって社長会社役員取締役の方が招へい人や身元保証人を担う場合は、会社員や公務員が招待するケースと異なり、ご自身の状況に合わせた資料の準備や書類の作成が必要になります。

そのため、このページでは、

  1. 職業を証明する資料について
  2. 収入額について
上記2つのポイントを解説・説明しています。

サラリーマンであれば難なく取得できる書類でも、会社役員にとっては取得が困難なものもありますし、従業員給与と違い役員報酬はある程度自由に金額を設定できる部分が短期ビザの申請をより複雑なものにしています。

なお、心配されているであろう報酬額・収入額に関してもきちんと触れていますので、是非申請にあたっての参考にしてください。

このページでは、経営者を「法人を設立して事業を行っている方」と定義しています。法人を設立していない個人事業主フリーランスの方は別ページに解説がございますので、詳しくは下記の記事を参照してください。

自営業・フリーランスの方が短期滞在ビザを申請する際の注意点3つ

2017.04.14

1.経営者・会社役員の「職業を証明する資料」について

在職証明書は提出できない

中国やベトナム(※)など、一部の国や地域では、必須書類として在職証明書を指定している大使館・総領事館があります。つまり、その証明書がなければ申請自体を受け付けてくれないということです。サラリーマンや契約社員、アルバイトの方であれば勤め先の企業から発行してもらうことになりますが、代表取締役(経営者)の場合はそれができません。

なぜなら、自分で自分が代表者を務めている旨の証明書を作成したところで、その証明書にはなんら信憑性がないからです。紙に手書きで1,000と書いて「これは千円札です」と言ってるのと同じです。

これは在職証明書に限った話ではありませんが、信憑性のない書類は何枚提出しても意味がないことを理解しておいてください。事実確認の取れない書類を提出したところで、審査官の心証を悪くするだけです。

その他役員(取締役・会計参与・監査役)に関しても、法律上は労働者ではなく使用者(法人)となりますので、在職証明書の提出は控えた方がいいでしょう。

では、大使館側は在職証明書を要求しているがそもそも準備できないという状況においてはどのような手立てが考えられるでしょうか?

法人登記簿謄本で代用

在職証明書が用意できないのであれば、代用可能なその他の書類を提出し、その旨を大使館・総領事館へ説明するしかありません。そして、その代用可能な書類とは、

  1. 履歴事項全部証明書
  2. 現在事項全部証明書

原則このふたつが該当します。登記簿謄本を提示することによって、そこに記載されている商号や本店所在地、役員に関する事項などから招へい人・身元保証人の現在の職業を証明していくということですね。

(※)管轄が在ホーチミン日本国総領事館の場合

2.報酬額・収入額について

役員報酬を意図的に低く設定している方は要注意

ほとんどの会社役員は、税務上損金扱いとするため毎月同額の報酬を受け取っているかと思います(定期同額給与)。そして、役員によっては社会保険料の負担減などを意識してわざと報酬額を低額に設定している方もおられます。

しかし、短期滞在ビザ(観光ビザ)の申請にあたり、報酬額を低くしている方は審査上かなり不利になってしまいます。なぜなら、大使館・総領事館の審査官は、会社での役職や業務内容よりも純粋な収入額を重視する傾向にあるからです。

そのため、仮に役員報酬を月額10万円に設定している方が身元保証人となった場合、極端な話大使館は「年収が120万円のパートタイマー」と同じ金銭的保証力とみて審査を行います。120万円の報酬額で短期ビザの許可は取れないとまでは言いませんが、かなり慎重に書類の準備・作成に取り組まなければならない案件になるでしょう。

あくまでも参考程度ですが、年間250~300万円程度の収入額が申請の目安になるとお考えください。

申請人(来日する人)の国籍居住地域申請日数滞在予定などでボーダーとなる収入額は異なります。

また、収入額と直接の関係はありませんが、住民税の納付状況にも気を付けてください。報酬額から天引き(特別徴収)されていれば問題ないですが、普通徴収のため納付を忘れてしまい、結果的に市役所・区役所に滞納者として記録されると審査上不利な扱いを受ける場合があります。

普通徴収とは、被雇用者でない方が納付書を用いて自分で住民税を納めることをいいます。

短期滞在ビザ申請で不許可になってしまう「嘘」ベスト7にも記載しているとおり、各国にある日本大使館は東京都の外務省へ情報照会をかけることができます。つまり、その気になればいくらでも調査できるため、できる限り住民税の滞納に関してはクリーンな状態にしてから申請に臨むようにしてください。

短期滞在ビザ申請で不許可になってしまう「嘘」ベスト7

2017.04.09

まとめ

  • 在職証明書は法人の登記簿謄本で代用
  • 役員報酬額が低い場合は別途身元保証人や預貯金証明を検討

この記事で紹介している注意点は、サラリーマンのような被雇用者にとって全く関係のない話になります。つまり、会社経営者や役員の方は会社員が申請する以上に複雑な段階を踏むことになります。

また、仕事上の付き合いがある人をビジネスパートナーとして招待するか親しい友人として招待するかによっても必要な資料や書類の書き方は大きく変わってきます。

商用・ビジネス目的で短期滞在ビザを申請する際の3つの条件

2017.03.06

それに伴い書類の確認事項も増えるため、作ってハイおしまいではなく、提出前に書類間の矛盾がないかどうかを何度もチェックすることが大切になります。初めて申請書の作成を担当する場合、最低でも3回は文面や記載事項に目を通しましょう。