会社役員・経営者が短期滞在ビザを申請する際のポイント2つ

会社役員・経営者が短期滞在ビザを申請する際のポイント2つ

海外で暮らす交際相手や友人、親族を短期間(90日間以内で)日本へ招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。

このビザは俗に招聘ビザ観光ビザ短期ビザとも呼ばれています。

そして短期ビザの申請にあたって、会社役員/取締役の方が招へい人や身元保証人を担う場合は、会社員が招待する一般的なケースと異なり、ご自身の状況に合わせた資料準備が求められます。

この記事では、会社役員や経営者の短期滞在ビザ申請をテーマに解説しています。

当記事では、役員・経営者が個人的な付き合いのある方を招待するケースを想定しています。ビジネス商用目的での招待を検討している場合は、下記の記事が参考になります。
研修・ビジネス目的で短期滞在ビザを申請する際の条件3つ

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2018年11月8日
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経営者・会社役員の必要書類

発行できる資料・できない資料についてチェックしましょう。

在職証明書は提出できない

中国やベトナムに代表される一部の国・地域では、短期ビザ申請の必須書類として在職証明書1を指定している大使館・総領事館が存在します。つまり、その証明書がなければ原則、申請自体を受け付けてくれません

1 企業に在籍していることを証明する書類
必須ではない場合でも、在職証明書は添付したほうがいい書類とされています。

サラリーマンや契約社員、公務員の方であれば勤め先の会社(役所)から発行してもらうことになりますが、取締役や経営者の場合はそれができません。

なぜ?

自分で自分が代表者を務めている旨の証明書を作成しても、その証明書には信憑性がありません。紙に1,000と書いて「これは千円札と私が認めました」と言っているようなイメージです。

在職証明書に限った話ではありませんが、信憑性のない書類は何枚提出しても意味がありません。事実確認の取れない書類を提出すればするほど、審査官の心証2は悪くなります。

2 審査官が形成する主観的な認識や確信のこと
代表取締役以外の役員(取締役や監査役など)に関しても、法律上は労働者ではなく使用者となるので、在職証明書の提出は控えるべきです。
短期滞在ビザ申請で必要な「在職証明書」を徹底解説

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2018年1月14日

法人登記簿謄本で代用

在職証明書が準備できないのであれば、代用可能なその他の書類を提出するしかありません。そして、その代用可能な書類とは主に以下のふたつを指します。

  1. 履歴事項全部証明書
  2. 現在事項全部証明書

登記簿謄本(登記事項証明書)を添付することによって、記載されている商号や本店所在地、役員に関する事項などから、招へい人ないし身元保証人の在職状況を立証していきます。

登記事項証明書は法務局で取得できます。

報酬額・収入額について

昨年度の収入額も改めて確認しておきましょう。

役員報酬の設定額に注意

ほとんどの会社役員は、税務上損金扱いとするため毎月同額の報酬を受け取っているかと思います(定期同額給与)。また社会保険料の負担減などを意識して、あえて報酬額を低額に設定している方もおられます。

身元保証人
今期は**万円に設定します

ただ短期滞在ビザの取得にあたって、報酬額を意図的に下げている方は審査上かなり不利になってしまいます。大使館・総領事館の審査官は、会社内の役職や事業内容よりも個人の純粋な収入額を重視する傾向にあるからです。

仮に報酬を月額10万円に設定している役員が身元保証人になった場合は「年収120万円の人」として審査されます。絶対に不許可になるとまではいえませんが、年収120万円の金銭的保証力では厳しい審査になるでしょう。

申請人(来日する外国人)の国籍や滞在日数、来日目的などにも左右されますが、250~300万円程度の収入額が一般的なボーダーになると考えられます。
短期滞在ビザの身元保証人が知っておくべき収入・預貯金額の目安

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2017年7月15日

住民税の滞納・未納について

収入額と直接の関係はありませんが、住民税の納付状況にも注意する必要があります。

報酬額から天引き(特別徴収)していればOKですが、普通徴収3のため納付を忘れてしまい、結果的に市/区役所に滞納者として記録されると審査上不利な扱いを受ける可能性があります。

3 一定の条件を満たせば当面普通徴収が認められています

審査において必ずしも納税証明書の添付は求められませんが、各国にある大使館等から日本の外務省へ情報照会がかかる場合もあります。可能性は非常に低いですが、できる限り住民税の滞納に関してはクリーンな状態にしておくことをおすすめします。

納税証明書以外の資力証明資料には、預金残高証明書課税証明書が該当します。

まとめ

  • 在職証明書は法人登記簿謄本で代用
  • 住民税は普通徴収の納付忘れに注意
  • 報酬額が低い場合は別途保証人を検討

この記事で紹介している項目は、サラリーマンの方にとっては全く関係ありません。

会社経営者や役員の方が短期ビザを申請する際は、会社員・公務員が申請する以上に複雑な段階を踏むことになります。

法人を設立していない個人事業主やフリーランスの方に関しては別ページに解説があります。
自営業・フリーランスの方が短期滞在ビザを申請する際の注意点3つ

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2017年4月14日

この記事を書いた事務所

行政書士ループ法務事務所

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就労系より身分系のビザ・在留資格を多く取り扱っています。
『申請を、もっと手軽にかんたんに』がスローガンです。

ビザ申請は書類作成や確認事項が多くて
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