自営業・フリーランスの方が短期滞在ビザを申請する際の注意点3つ

個人事業主・フリーランスの方が短期滞在ビザを申請する際の注意点3つ

海外で暮らす友人や彼氏・彼女、取引先を日本へ短期間(90日間以内で)招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。

そして、申請にあたって個人事業主フリーランス自営業の方が招へい人や身元保証人を担う場合は、会社員や公務員が招待するケースよりも難易度が上がる傾向にあります。

そのため、このページでは、

  1. 申請にあたっての必要書類について
  2. 住民税の滞納・未納について
  3. 所得額(収入)について
上記3つの注意点を解説・説明しています。

サラリーマンであれば難なく取得できる書類でも、個人事業主にとっては取得が困難なものもありますし、被雇用者であれば全く意識しなくてよい箇所へもきちんと目を通さなければならないのが個人事業主・フリーランサーの宿命です。

また、心配されているであろう所得額・収入額に関してもきちんと触れていますので、是非申請にあたっての参考にしてください。

このページでは、自営業者を「法人を設立せずに事業を行っている方」と定義しています。法人を設立している、所謂役員取締役の方は別ページに解説がございますので、詳しくは下記の記事を参照してください。

経営者・会社役員が短期滞在ビザを申請する際の2つのポイント

2017.04.16

1.個人事業主・自営業者の必要書類について

在職証明書は提出できない

中国やベトナム(※)など、一部の国や地域では、必須書類として在職証明書を指定している大使館・総領事館があります。つまり、その証明書がなければ申請自体を受け付けてくれないということです。サラリーマンや契約社員、アルバイトの方であれば勤め先の企業から発行してもらうことになりますが、個人事業主の場合はそれができません。

なぜなら、自分に対して自分が在職している旨の証明書を作成したところで、その証明書にはなんら信憑性がないからです。紙に手書きで1,000と書いて「これは千円札です」と言ってるのと同じです。

これは在職証明書に限った話ではありませんが、信憑性のない書類は何枚提出しても意味がないことを理解しておいてください。事実確認の取れない書類を提出したところで、審査官の心証を悪くするだけです。

では、大使館側は在職証明書を要求しているがそもそも準備できないという状況においてはどのような手立てが考えられるでしょうか?

確定申告書や営業許可証で代用

在職証明書が用意できないのであれば、代用可能なその他の書類を提出し、その旨を大使館・総領事館へ説明するしかありません。そして、その代用可能な書類とは、

  1. 確定申告書控
  2. 営業許可証

原則このふたつが該当します。ただ、営業許可証に関してはそもそも手元にないという方もいらっしゃるので、基本的には確定申告書の控えが代わりに必要になると考えておきましょう。

確定申告書を提示することによって、そこに記載されている住所地や氏名、屋号などから招へい人・身元保証人の現在の職業を証明していくということですね。

(※)管轄が在ホーチミン日本国総領事館の場合

2.住民税の滞納・未納について

普通徴収による納付忘れに注意

サラリーマンや契約社員、フリーターの方であれば、原則給与から天引きされるので住民税に関しては何も考える必要はありません。

ちなみに、給与から天引きされることを特別徴収と呼びます。

一方で、普通徴収とは、サラリーマンのような被雇用者でない方が納付書を用いて自分で住民税を納めることをいいます。そのため、個人事業主の方はうっかり納付を忘れてしまい、結果的に滞納者として市役所や区役所に記録されているという状況が割と簡単に起こり得ます。また、この記事を読んでいる人の中で「あえて支払っていない」という方もいるかもしれません。

仮に、そのような方が身元保証人になった場合、審査上不利な扱いを受けることが予想されます。その上、ほとんどの大使館・総領事館は身元保証人が提出する書類として納税証明書を指定していますが、未納額が上がっている証明書を添付したところで、

大使館・領事館
国民の義務である納税を行わない方が身元保証人としての責任を全うできるとは考えられない

と判断されてしまうのが関の山です。

また、上記の問題を避ける方法として、納税証明書以外の書類で身元保証力をアピールすることも可能ですが、確かにこの方法であれば申請書類を受理した大使館・総領事館は保証人が住民税を滞納しているかどうかは分かりません。

しかし、短期滞在ビザ申請で不許可になってしまう「嘘」ベスト7にも記載しているとおり、各国にある日本大使館は東京都の外務省へ情報照会をかけることができます。つまり、その気になればいくらでも調査できるため、できる限り住民税の滞納に関してはクリーンな状態にしてから申請に臨んでほしいというのが弊所からのアドバイスになります。

短期滞在ビザ申請で不許可になってしまう「嘘」ベスト7

2017.04.09

3.所得額(収入)について

節税・黒字の圧縮をしている方は要注意

個人事業主・フリーランスの方にとって、経理業務は切っても切れない関係にあります。また、できる限り所得を抑えるためにあの手この手で節税されているかと思います。

しかし、短期滞在ビザ(観光ビザ)の申請にあたり、節税対策は審査上かなり不利になってしまいます。なぜなら、大使館・総領事館の審査官は、事業の規模や職種よりも純粋な所得額を重視する傾向にあるからです。

そのため、たとえ売上(事業収入)が1,000万円あったとしても、所得を100万円で申告したのならば、極端な話大使館は「月収が83,000円のパートタイマー」と同じ金銭的保証力とみて審査を行います。100万円の所得で短期ビザの許可は取れないとまでは言いませんが、かなり慎重に書類の準備・作成に取り組まなければならない案件になるでしょう。

あくまでも参考程度ですが、300万円程度の所得額が申請の目安になるとお考えください。

申請人(来日する人)の国籍居住地域申請日数滞在予定などでボーダーとなる収入額は異なります。

まとめ

  • 在職証明書は確定申告書控で代用
  • 住民税は普通徴収の納付忘れに注意
  • 所得が低い場合は修正申告(訂正申告)などを検討

この記事で紹介している注意点は、被雇用者にとって全く関係のない話になります。つまり、個人事業主やフリーランスの方は会社員が申請する以上に複雑な段階を踏むことになります。

それに伴い書類の確認事項も増えるため、作ってハイおしまいではなく、提出前に書類間の矛盾がないかどうかを何度もチェックすることが大切になります。初めて申請書を作成する人であれば、最低でも3回は文面や記載事項に目を通しましょう。