短期滞在ビザ申請で使用する確定申告書の注意点3つ

短期滞在ビザ申請で使用する確定申告書の注意ポイント3つ

海外で暮らす友人や彼氏・彼女、親族、取引先を日本へ短期間(90日間以内で)招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。このビザは俗に観光ビザ短期ビザとも呼ばれます。

そして、現地の大使館・総領事館が指定する必要書類の中には確定申告書がリストアップされています。一般的に個人事業主や法人成りしていない自営業者が準備することになる書類と云われています。

確定申告書は申請書類の中でもかなりシビアに審査される書類のひとつであり、その他の資料の組み合わせや申請内容によってはあっけなく不許可になってしまう可能性も十分に考えられます。

そこで、今回の記事では短期ビザにおける確定申告書の取り扱いについて詳しく解説・説明していきます。

そもそも確定申告とは

税金を納付するための手続きです

所得税(及び復興特別所得税)の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とそれに対する所得税(及び復興特別所得税)の額を計算し、申告期限までに確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続です。―国税庁Webサイトより抜粋

簡単に言ってしまうと、利益(売上-費用)にかかる税金を納めるために行う手続きのことを確定申告と呼びます。

サラリーマンや公務員の方であれば毎月の給与から天引きされているため、原則確定申告は不要になります。そのため短期ビザの申請にあたっても、確定申告書が必要になるのは個人事業主の方がメインとなります。

申告そのものの話はビザ申請と直接の関係がないため割愛しますが、通常の税務申告とは異なり、短期ビザの申請には書類に記載されている細かな点に注目する必要があります。

短期滞在ビザ申請で使用する確定申告書の注意ポイント3つ

ちなみに、こちらが短期ビザ申請で使用する確定申告書控えの見本になります。

税務署受付印を忘れずに

なぜ受付印が必要なのか?

確定申告書は、正式名称を「平成○○年分の所得税(及び復興特別所得税)の確定申告書」といいます。そして、通常は保管用として控えを渡され、さらにその控えには税務署の受付印(収受日印)が押印されています。

このままであれば申請上特に問題はないのですが、仮に今あなたの手元にある確定申告書控えに受付印が押印されていない場合、その書類は短期ビザの申請に使用することができません

その理由は、提出した確定申告書控えが本当に税務署へ提出したものと一致しているかの判断が付かないからです。

大使館・領事館
審査を有利にするため所得を水増し(偽造)しているかもしれない

といったような疑いを払拭するため、短期ビザの申請には税務署受付印のある申告書控えが必須になります。

税務署
これは確かに税務署へ提出された申告書ですよ

大使館・総領事館も税務署からのお墨付きがないと扱いに困るというわけです。

受付印(収受日印)がない場合の対処法

受付印のない理由は細かいものも合わせるといくつか考えられますが、多くは、

  • 直接税務署の窓口で受付せず、郵送で申告を済ませた方
  • e-Tax(電子申告)で確定申告書を作成した方
のどちらかに該当するかと思います。これからは、申告書に受付印がない方への対策方法を解説していきますので、受付印のある方は次の章を読み飛ばしてください。

郵送で確定申告書を送付した場合

郵送で税務署に提出した場合、確定申告書の控えや返信用封筒を同封していれば受付印を押印した控えを返送してくれますが、現に手もとの申告書に受付印がなければ、再度書類を取り寄せることになります。

一般的には、税務署に対し「保有個人情報開示請求」をかけて確定申告書を再発行してもらうことになりますが、非常に時間がかかります。中には再発行に1ヵ月近くかかるケースもあり、これは申請人(来日する人)の入国予定日がそっくりそのまま1ヵ月間後ろ倒しになってしまうことを意味します。

滞在予定表なども作り直すことになるので非常に面倒な作業が予想され、そのため弊所では案件に応じて別途補足説明書類を作成し、一緒に提出してもらうよう案内していますが、ご自身で申請される場合はきちんと申告書を再取得した方が審査で有利になるかと思われます。

e-Tax(電子申告)の場合

e-Tax(国税電子申告・納税システム)で確定申告を行った場合、データとして書類を作成するためそもそも税務署からの受付印をもらうことは不可能です。

そのため、短期ビザの申請にあたっては受領印の代わりに受信通知と呼ばれるものを併せて添付します。

受信通知

こちらが受信通知の参考画像になります。提出先や受付番号、所得金額などが記載されており、この資料自体がいわばハンコとして扱われます。つまり、

  • 確定申告書データを印刷したもの
  • 受信通知を印刷したもの
上記2点が必要になるということです。

控えのコピーを提出しましょう

添付間違いに注意

短期ビザの申請において、住民票や課税所得証明書、戸籍謄本などは原本の提出が必須とされていますが、申告書の控えに関してはコピーを提出しても問題ありません。むしろ、控えをそのまま提出してしまわないよう注意してください。大使館・総領事館は原則提出書類を返却してくれません

この先あなたが融資を申し込む際や、ローンを組むときなど、申告書控えが必要になる場面も多々あるかと思いますので、控えは必ず保管しておき、コピーを提出するようにしてください。

申告漏れ・過度な節税に注意

書類上の数字がすべてです

依頼者様の中には、過度な節税を行ってしまったがゆえに、書類上の所得金額が著しく低くなっている方が少なからずいらっしゃいます。残念ながら、短期ビザの申請においては書類に計上されている金額をもとに審査が進むため、このケースは非常に不利といえます。

本当は○○万円くらい所得があるので、申請人(来日する人)の滞在費は十分カバーできます!

という言い訳は通用しません。仮に年間の所得を90万円で申告している人は、審査で月の手取りが75,000円の人と判断されます。要するに、

大使館・領事館
身元保証人として相応しくない

という裁決が下り、不許可になる可能性がかなり高くなります。

こういった事例の場合、弊所では過去のデータや傾向を調査し、案件に応じて別途追加書類や説明書の添付を検討しています。仮にご自身で書類を作成する場合は、最悪修正申告も視野に入れた方がいいかもしれません。

まとめ

  • 受付印(収受日印)のある控えが必要です
  • 控えは提出せずコピーを添付
  • 過度な節税には要注意
実際の申請にあたって、申告時の収入・所得額に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。申請人(来日する人)との関係性証明がより審査に影響を与えるといえども、やはり数値ではっきり高い低いが確認できる以上、審査官も申告書の内容をきっちり精査してくることに変わりはありません。

また、審査を有利に進める方法のひとつとして、あえて添付しないという方法もありますが、これはその他の書類との兼ね合いがあってこそなので、それなりにリスクがあることを知っておいてください。