オーバーステイ歴のある人を短期滞在ビザで日本に招待する方法

オーバーステイ歴のある人を短期滞在ビザで日本に招待する方法

海外で暮らす友人や彼氏・彼女、取引先を日本へ短期間(90日間以内で)招待するには、短期滞在ビザという査証を現地の大使館や総領事館へ申請しなければなりません。このビザは俗に観光ビザ短期ビザとも呼ばれます。

そして初めて来日する場合や、来日経験はあるがきちんと日本の法律を守って出国している外国人と異なり、オーバーステイ不法滞在歴のある外国人が再度日本を訪れるため短期ビザを申請する場合、書類作成や資料準備の手続きはより複雑になります。

オーバーステイ・不法滞在(不法残留)はれっきとした法律違反であり、たとえ結婚を誓い合った恋人同士や親族であってもかなり慎重に申請を行わないと許可を得ることは難しいのですが、100%不許可になるわけではありません。実際に弊所でもそういった方のサポートを行っていますが、無事に許可をいただいた依頼者様も多くいらっしゃいます。

しかし、その人の事情によってはそもそも申請が行えないケースがあるので、この記事では

  1. 上陸拒否期間の種類
  2. 独自に準備した方がいい書類
これらふたつに焦点を当てて詳しく解説していきます。

1.上陸拒否期間の種類

主に3種類あります

上陸拒否期間とは、読んで字の通り外国人が日本に入国できない期間を意味します。

日本から不法残留等を理由に退去強制された者や出国命令を受けて出国した者は、入管法の規定に基づき、原則として一定期間日本に上陸することはできません。
【入国管理局WEBサイトより】

つまり、この上陸拒否の期間中は短期滞在ビザを申請することはできません。再申請が可能になるのはこの期間が経過したあとになります。

そして上陸拒否期間は主に3つに分けられています。

1-1.1年間の上陸拒否

  • 不法残留(オーバーステイ)していた外国人が自主的に入国管理局に出頭した
  • 過去にオーバーステイや退去強制(強制送還)されたことがない
上記の他にも速やかに日本から出国する意思がある所定の罪(窃盗罪など)により懲役や禁錮に処せられていないなどの条件はありますが、これらを満たしている外国人は原則1年間の上陸拒否となります。

ちなみに、1年間の上陸拒否のことを一般的に出国命令と呼びます

そのため4月1日に出国命令を受けた人は、次の年の4月1日を過ぎてから再申請が可能となります。イメージとしては、摘発される前に自分から入国管理局に報告した人が1年間の上陸拒否に該当すると考えておきましょう。

出国命令制度に該当するのはあくまでも不法残留(オーバーステイ)に限られます。例えば、偽造パスポートで入国した外国人が自主的に出頭した場合であっても、上陸拒否期間は最低5年間となります。

1-2.5年間の上陸拒否

  • 初めて不法残留(オーバーステイ)で摘発された
  • 過去に出国命令や退去強制(強制送還)を受けていない
これらに該当する外国人は出国の日から5年間は日本に入国することができません。勿論短期ビザの申請も待つ必要があります。

摘発されるケースは様々で、たまたま警察から別件の事情聴取を受けたときに発覚した方や、そもそもオーバーステイ自体に気付いておらず、指摘されて初めて不法残留を知ったという方もいらっしゃいます。

自分で入国管理局に出頭する前に摘発されてしまったら5年間は入国できないと考えておきましょう。

1-3.10年間の上陸拒否

  • 不法残留(オーバーステイ)で摘発され、過去にも同様の法律違反を犯している
以前にもオーバーステイ歴があり、その後に再度オーバーステイで摘発されてしまった場合は、10年間日本に入国することができなくなります。

何度も退去強制(強制送還)や出国命令を受けている人はかなり悪質であると判断され、俗にリピーターとも呼ばれます。こういった方を再度短期ビザで日本に招待する場合は10年間も待たなければならず、また申請しても許可が下りる確率は前項の1年・5年の外国人に比べて低くなることを覚悟してください。

これらの他に、永久・無期限に入国できないケースもあります(長期上陸拒否者)。主に人身売買やドラッグなどの重大犯罪を犯した外国人が対象になりますので、このページでは割愛しています。

2.独自に準備した方がいい書類

反省文・嘆願書など

実際の申請において、外務省や現地の日本大使館が案内している必要書類だけでは十分に申請人の情報を伝えることができません。現地で公表されている必要書類はあくまでも大使館側が申請を受理する最低限のラインだとお考えください。

そのため弊所では、申請人(来日する人)や招へい人(招待する人)に反省文の作成をオススメしています。依頼者様には前回のオーバーステイについてヒアリングをし、事務所内で反省文の清書を行っていますが、自分で作成・申請されるという方は、

  • 不法残留に至るまでの詳細な時系列
  • なぜ不法残留をしてしまったのか
  • 今後の対策

などを意識しながら作成にあたってください。また書式に指定はありませんので、招へい経緯を説明する別紙(招へい経緯書)から独立させたものを準備したほうがよいでしょう。

反省文の他にも、招へい人・身元保証人それぞれの嘆願書宣誓書など、個々の状況や事情に応じて提出する書類は異なります。参考程度として頭の片隅に留めておいてください。

まとめ

  • 上陸拒否期間を過ぎてから申請が可能になる
  • 前回の不法残留についての反省文の作成
通常、申請から結果が下りるまでにかかる期間は1週間~10日間ですが、以前にオーバーステイなどの経験がある場合はさらに審査が延びる傾向にあります。

また審査の途中で電話でのインタビューや個室での面談が行われるケースもございますので、申請人(来日する人)自身がきちんと過去の過ちや罪の重さを把握しておくことが大切になります。