日本側から招へい人・身元保証人を立てて交際相手や友人、親族の観光ビザを取得する際、一部の大使館等では必要書類として滞在先ホテルの予約表を求めています。
予約表は不要とする大使館が多数派ですが、申請人の滞在場所や行動予定がより詳細に立証できるため、提出するに越したことはありません。
この記事では、短期ビザにおける宿泊施設の予約確認書をテーマに解説しています。
この記事の目次
ホテル予約を指定している大使館
ご依頼の多い国でいえば、パキスタン1やモロッコ2の一部申請でホテル予約が求められます。
- 1 在カラチ総領事館管轄のみ (原則)
- 2 親族訪問以外の申請のみ (原則)
当然ですが、大使館側が予約表を指定しているのであれば、それに従うべきです。
ただ多くの国・地域では、申請時点でホテルの予約までは求めていないので、あまり気にしなくてもいい項目といえます。
審査の管轄を再確認
申請人(来日する外国人)の国籍と現住所が異なる場合は要注意です。
A国籍者がB国で生活している場合、一般的にはB国にある日本大使館・総領事館が審査の管轄になります。
管轄が変わると必要書類も異なります。国籍国だけでなく、居住国の大使館情報も把握しておくのが望ましいでしょう。
具体的な例
スペイン国籍者が観光などで訪日する場合、短期ビザの取得は免除されています。
ただ、免除扱いではない国籍の人がスペインの日本大使館で申請する際、ホテルの予約表が原則必要になります。
観光先や訪問先が決まっている場合
- いつ・どこに訪問/観光するのかが確定している
- ある特定の場所へ滞在するためにビザを申請する
申請時点で滞在先が決まっている場合は、ホテルの予約表を併せて提出するのもひとつです。
ただ、自宅滞在や日帰り観光がメインであれば、無理に予約する必要はありません。
不許可のリスクがある以上、事前の予約はどうしても気が引けます。管轄の大使館等が予約表を必須としていない場合に提出するかどうかは、各自で判断していただければと思います。
予約表で必要になる情報
- 宿泊施設の名称
- 宿泊施設の所在地
- 宿泊施設の電話番号
- 予約者(宿泊者・請求先など)の氏名
- チェックイン・チェックアウト日
具体的に定められてはいませんが、最低限これらの情報は求められるでしょう。
なお、予約表・予約確認書は宿泊先や代理店さん、その他予約窓口で準備してくれるため、こちら側ですることは特にありません。
申請書類との整合性に注意
予約表を提出する際は、滞在予定表やビザ申請書にも施設情報を記載する必要があります。
“単に予約表を添付して終わり”ということのないようにしましょう。
予約表と短期ビザの許可率
同棲体験など、継続して自宅に滞在してもらう予定であれば、予約表は原則不要です。
審査のポイントとなるのは、あなたと申請人が日本で何をどれだけしたいかです。
関連性はそこまでない
日本各地の観光名所を多く巡るのであれば、用意したほうが許可率は上がる傾向にあります。
ただ、日本語学習やホームステイなどの、一般的な生活や慣習を体験する目的であれば、予約表がなくても問題にはならないと考えられます。
ビザ取得のための予約はNG
“ホテルの予約確認書”に限った話ではありませんが、自分たちの計画を差し置いて、ビザの取得だけを軸足に据えるのは相応のリスクを伴います。
申請書類の枚数は平均して20~40枚にわたり、その1枚1枚が大切な資料になります。
- 予約したが宿泊予定はない(キャンセル前提)
- 日帰りが不可能な観光地を日帰りに設定する
上記のような内容は厳格に審査されるので、避けるようにしてください。
場合によっては宿泊先変更も可能
滞在予定は天候など様々な要因に影響を受けるため、申請した内容と全く同じスケジュールで行動することまでは求められません。
ホテルを利用するか微妙なケース
宿泊予定はあるけれど確定ではないといった微妙な状況の場合は、予約表を添付せず、その旨を書面で伝えておくのがベターです。
黙ったまま申請しても審査官はあれこれ考えてくれないので、滞在予定表や招へい理由書の別紙(招へい経緯書)に記載しておきましょう。
まとめ
- 予約表の要否は大使館等によって異なる
- 自宅滞在なら予約表は原則不要
ホテルの予約確認書は申請人がどこに滞在するのかを立証するものです。自宅滞在であれば住民票がそのまま証明資料になるため、別途資料は不要となります。
また、自宅とホテルの中間的な施設(ウィークリーマンションなど)に滞在する際も、当該物件の所在地などが記載された概要書を添付すれば、よりスムーズに審査が進むと考えられます。