海外に暮らす交際相手や友人、親族を短期間(90日間以内)で茨城県に招待するには、短期滞在ビザと呼ばれる査証を現地の大使館や領事館へ申請しなければなりません。
この記事を書いた事務所
就労系より身分系のビザ・在留資格を多く取り扱っています。
『申請を、もっと手軽にかんたんに』がスローガンです。
この記事の目次
はじめに
まず、外国人が短期滞在ビザを申請するには2種類の方法があります。
- 海外側主体で申請
- 日本側主体で申請
海外側主体のビザ申請
渡航費や日本での滞在費を、外国人が自分で準備することになります。
また現地の旅行代理店を利用するケースもありますが、いずれにせよ、外国人側の職業や預貯金残高がビザの発給・不発給に大きく影響します。
日本側主体のビザ申請
相手側の資産状況が芳しくない、物価の差が大きい場合などは、日本側で協力者を立てて申請するのが一般的です。
このケースでは、必要書類は増えるものの、相手の収入や預貯金額が審査に影響しにくくなります。また、あなたが実質的な受け入れ先になるため、比較的有利になるといわれています。
外務省Webサイトより抜粋
このサイトについて
当サイトでは日本側主体の短期ビザ申請を前提としています。あなたが協力者となって茨城県に招待する場合は、このまま読み進めてください。
短期滞在ビザ・観光ビザの要件
- 1回の滞在が90日間以内
- 茨城県滞在中に就労活動をしない
上記のふたつを満たしていれば、短期ビザでの招待が原則可能になります。
外務省Webサイトに列挙されている国の国民については、ビザの申請が免除されています。
滞在日数は最長90日
滞在期間は3ヵ月以下と決められていますが、滞在場所については特に指定されていません。全日自宅滞在でも、半分ホテルで半分実家でも構いません。
もちろん、茨城県以外の道府県へ出かけてもOKです。宿泊もOKです。
なお、滞在予定日数が増えれば増えるほど審査のハードルも上がります。
複数回の招へいについて
観光ビザには、年間180日を超える滞在は避けるべきというルールが存在します。
ただ、入国の回数に制限はないので、合計の滞在日数が180日を超えているかどうかで判断すればOKです。
観光ビザには就労制限がある
「就労活動をしない」と表記しましたが、アルバイトも1日限りの単発仕事もNGです。法律違反1になるので注意してください。
他のビザとの比較
留学ビザと短期滞在ビザ
所在地が茨城県内であっても、留学ビザは学校側で手続きが進むため、あなたが個人的にビザを取得してあげることは原則ありません。
就労ビザと短期滞在ビザ
前項と同じく、勤務先が茨城県でも会社側で就労ビザ申請を行うため、あなたがサポートできることはほとんどありません。
配偶者ビザと短期滞在ビザ
日本側と海外側で結婚が成立していれば、配偶者ビザ(結婚ビザ)の申請が可能です。なお、婚約者ビザは存在しないため、婚姻していない以上は短期ビザでの申請になります。
茨城県での観光ビザ申請の流れ
1 必要書類の検討･準備
2 申請書類の作成
3 完成書類を海外へ郵送
4 管轄の窓口へ提出･申請
5 短期ビザの発給
6 日本入国
日本側と海外側で各自資料を準備し、日本から書類を郵送したあとは、先方さんに申請を任せるかたちになります。
観光ビザの必要書類
個々の事情や来日する方の国籍にもよりますが、一般的には下記の書類が求められます。
※原則親族訪問のみ
- パスポート
- 査証申請書(ビザ申請書)
- 証明写真(45mm×45mm)
- 親族関係を証明する書類※
- その他各大使館等で指定される資料
※お相手の国籍・居住地域によっては不要
必要書類の留意点
上記のリストからピックアップして、各書類の留意点を紹介します。
往復航空券の予約表
お相手の国籍によっては、申請時に往復航空券の予約表が必要になります。茨城県であれば成田国際空港や羽田空港(東京国際空港)を利用するケースも想定されますが、どこの空港から入国しても構いません。
公的書類・準公的書類
市役所や区役所、金融機関からも書類を取得することになりますが、ほとんどの場合は茨城県内で完結します。直近で引っ越した、戸籍の本籍地が離れているといったケースでは、郵送での請求が一般的です。
滞在予定表
茨城県内での行動予定を主に記載しますが、あくまでも予定です。記入した通りの行動は必ずしも求められません。
茨城県へ外国人を呼ぶ前に
観光ビザに限らず、すべてのビザ申請では審査が実施されます。つまり、書類を提出しても不許可になる場合があります。
気をつけたいパターン
不許可の理由としてよく挙げられる3つの類型を紹介します。
保証人側の経済状況
年収額で300〜350万円、預貯金額で100〜200万円が多くのケースでボーダーになると考えられます。
ビザの性質上、定職に就いている方が身元保証人になるべきといえます。また、場合によってはご親族に身元保証を担ってもらったり、追加で保証人を加えるケースもあります(2人体制)。
交友期間・交際期間
知り合ってからの期間が短ければ短いほど、審査ではマイナスになります。
- 海外ないしは茨城県内で直接の対面歴あり約3〜6ヵ月
- SNS･マッチングアプリで知り合い対面歴なし約6ヵ月
ざっくりではありますが、上記の期間が申請時期の目安になります。もちろん、親族訪問を検討している方は、この項目を無視して構いません。
- 技能実習生・研修生帰国後6ヵ月～
- タレント・エンターテイナー帰国後3～6ヵ月
帰国直後の申請は不利になりやすいので、上記の期間を参考に申請時期を検討してください。
過去の不許可歴
来日する側に不許可歴がある場合、通常は過去の不許可を覆すかたちになるため、審査のハードルは上がる傾向にあります。
単なる書類不足からオーバーステイまで、様々な理由が考えられます。行政書士や弁護士さんに相談される際は、前回の申請書類の控えを探しておきましょう。
茨城県内の観光名所・イベント
書類作成の参考になるよう、茨城県下のイベントや観光地をメインにまとめました。
*滞在予定表に時間配分の記述は不要です
- 偕楽園/水戸市
- 大洗磯前神社/東茨城郡
- 竜神大吊橋/常陸太田市
- 筑波山神社/つくば市
- 国営ひたち海浜公園/ひたちなか市
- 牛久大仏/牛久市
- 袋田の滝/久慈郡
- 阿字ヶ浦海水浴場/ひたちなか市
- 筑波山ロープウェイ/つくば市
- 御岩神社/日立市
*実施状況は各自でご確認ください・( )内は来客数
- ［笠間市･1月］歳旦祭 笠間稲荷神社(約80万人)
- ［水戸市･2月］水戸の梅まつり(約52万人)
- ［鹿嶋市･3月］祭頭祭 鹿島神宮(約6万人)
- ［水戸市･4月］水戸の桜まつり(約10万人)
- ［笠間市･5月］笠間の陶炎祭(約54万人)
- ［潮来市･6月］水郷潮来あやめまつり(約80万人)
- ［筑西市･7月］下館祇園まつり(約20万人)
- ［水戸市･8月］水戸黄門まつり(約100万人)
- ［石岡市･9月］常陸國總社宮例大祭(約48万人)
- ［土浦市･10月］土浦全国花火競技大会(約75万人)
- ［東茨城郡･11月］大洗あんこう祭(約14万人)
- ［古河市･12月］古河提灯竿もみまつり(約5万人)
おわりに
短期滞在ビザで茨城県へ招待する際のおおまかなアウトラインを解説しました。自力で申請される場合は外務省サービスセンターなどを上手く利用してください🙂
行政書士ループ法務事務所では短期滞在ビザや結婚ビザを主に取り扱っています。初回お問い合わせ時から有資格者が対応しますので、お話しできることをお待ちしております😊
